IDC Japanの発表によると、2015年の国内セキュリティソフトウエア市場の規模は2246億円だった。今後は年平均4.8%で成長し、20年に2838億円に達する見込みだ。同社は、19年のラグビーワールドカップや20年の東京オリンピック/パラリンピックの際のサイバー攻撃対策に、セキュリティソフトへの需要が高まるとしている。
シマンテックの執行役員CTO兼セールスエンジニアリング本部長坂尻浩孝氏はサイバー攻撃について「オリンピックなどの際に発生するサイバー攻撃の種類は金融詐欺、ID盗難、データハイジャックなど多岐にわたり、目的も金銭、社会的・政治的な主張など様々です。当社では、リオデジャネイロ大会の競技期間中のサイバー攻撃数が、ロンドン大会の準備期間4年間に試みられた攻撃数の4倍に達すると予想しています。20年の東京大会ではその攻撃数がリオ大会の十数倍規模になるかもしれません」と語る。
高度なサイバー攻撃に対しては、サーバー保護、情報漏えい対策、認証等のテクノロジーなどに加え、「セキュリティインテリジェンスの専門家が、24時間365日監視を続けてリスクを把握し、起こりうるインシデントに迅速に対処することが最も重要です」(坂尻氏)という。
(大橋昭一=図版作成)