矢野経済研究所の調査によると、2015年度の企業向け研修サービス市場は前年度比2.3%増の4970億円だった。定額制研修サービスの普及が成長を牽引したという。16年度の市場規模は5070億円に、17年度は5140億円に達すると見られている。
定額制の研修サービス「エンカレッジ」を提供しているエン・ジャパンの人材活躍支援事業部企画部部長の渡辺圭氏は「一般社員向けの研修では仕事の楽しみ方や電話応対の基本、ビジネスEメールの基本、仕事で注意すべき言葉遣いなどが、管理職向けではロジカルエクスプレッション、リーダーシップ、部下育成の方法などが人気です」と語る。
定額制の研修サービスを利用するメリットは費用を抑えられることにある。エンカレッジの場合、30名利用する場合で月額5万円だ。すべての講座を受講可能で受講数の上限もないという。「1日単位で申し込む集合研修の場合、1名当たり3万~10万円くらいです。企業が単体で依頼する講師派遣型の研修は、1日何十万円とかかり、対象者が大人数いないと研修単価はかなり上がります」(渡辺氏)。
エンカレッジを利用する企業は、「社内教育制度があまり整っておらず、基本的な部分から学びたいというケースが多い」(渡辺氏)という。
(大橋昭一=図版作成)