バーチャルリアリティ(VR=仮想現実)技術の1つである「360度動画」が注目されている。これは視聴者の動きに合わせて、360度の画角で動画が見られる技術で、ここ数年で急成長した。2015年にフェイスブックとユーチューブがスマホアプリで360度動画を見られるようになり、一気に身近な存在となった。最近話題になったのは、映画「スター・ウォーズ」シリーズの最新作「フォースの覚醒」の公開前、砂漠の中をスピーダー・バイクで走り抜ける同作の映像が360度動画で公開された出来事だ。こうしたプロモーションコンテンツやゲーム、ニュースなどのメディアにおいて、利用拡大が期待されている。
VR動画を制作する360度カメラの価格は、5万円から数百万円と幅広い。VR市場は20年には8兆円規模になるという調査結果も出ており、新規参入の余地はまだまだあるという。日本でも、オンラインゲーム会社のコロプラが昨年、360度動画に特化した会社360Channelを設立するなど動きが出ている。ただ、普及には課題もある。360Channel経営企画の中島健登氏は「VR酔い」という「乗り物酔い」のような現象が起こる可能性を指摘する。「しかし、だからこそ酔わないコンテンツづくりをすることが普及に向けた第一条件となる」(中島氏)。
(AFLO=写真)