顧客に手が届く価格で高品質の商品づくりを実現

メーカーズシャツ鎌倉(株)(貞末良雄会長・貞末民子社長)はシャツ専門の製造販売業として1993年に創業。現在の年商はおよそ33億8000万円(2015年5月期)、社員数120人。東北1、関東19、中部2、近畿1、中国1、九州2の合計26店舗(2015年現在)を展開する企業だ。

国内には数多くのアパレルメーカーが乱立しているが、その中で同社は比較的季節の影響を受けず、不良在庫になりにくい「シャツ」のカテゴリーに事業を絞り込んで事業化した。シャツのカテゴリーに絞り込んだ専門店は、当時国内に存在していなかった。

創業に際して貞末良雄氏は中間流通が収益の6割を得るアパレルの業界構造に疑問を持ち、GAPの様に中間流通を経由せず工場に直接製品を発注し、自らが在庫リスクを負うSPA(製造小売業)方式を取り入れた。

同社は中間流通に支払う経費がなくなれば上質な商品を手頃な価格で販売できると考え、兵庫県西脇にある生地メーカーと交渉。メーター当たり800円の生地を現金取引で全品買い取りという条件を提示して、半額の400円で商談を成立させ、生地の調達に成功する。入手した生地をつき合いのあった縫製工場に持ち込み、製造を依頼した。

こうした取り組みにより、「肌触りのよい綿100%の高級生地を使い、見た目が美しくほつれにくい巻き伏せ本縫いで、貝ボタンを使用し、しかも縫製は日本国内の工場で行う高品質なシャツ」を4900円(税別)という価格で実現する。一般的な高級シャツの原価率は15~18%なのに対し同社製品では約60%となっているが、同品質のシャツがデパートなら1万円はする商品が手頃な価格で実現した。