「なぜ成功したのか、その理屈が正しくわからない人が、失敗したときに、なぜ間違っていたかを反省できるはずがありません。反省しているフリだけ。だから、その後もずっと失敗のイメージを持ち続け、いつまでたってもスキルは向上しません」

成功したときに、「成功してよかった」で終わらせるのではなく、なぜうまくいったのかを振り返って(反省して)、そこから理論構築すれば、成功の法則が出来上がる。次からはその法則に自分の行動を乗せてやれば、成功の確率が高まるのだ。

ビジネスでも、失敗は反省するが、成功すれば喜んで終わり、というケースが多いのではないだろうか。むしろ提案が通ったときや商談がまとまったときこそ、その要因やプロセスをきちんと理論的に追究してみることが大切だ。

プラス思考が大切とはいっても、マイナス思考が身についてしまった人に、急にプラスに考えなさいとアドバイスしても難しいものだ。

そんなとき高畑氏は、正しく行動できる習慣を身につけるように促している。

「まず目的を明確にします。たとえば野球でノーアウト、ランナー3塁の場面を想像してください。ここで打者は『ヒットを打てば1点入る。犠牲フライでも1点だな。ホームランなら2点か』とあれこれ迷い、その結果、中途半端なプレーになってしまうことがあります。『確実に1点取るため犠牲フライを打つ』と決めることができれば、低めのボールは捨て、高めのボールだけに絞れます」

目的を明確化すれば、どう行動すべきかも素早く決まり、成功する確率は高まるわけだ。この場合は、犠牲フライを打つと選択したことで、高めの球を外野まで運ぶ、という次の行動がすぐに決まるということだ。