目的を明確化し、アクションに直結
目的があやふやになり、その結果うまくいかないケースは、ビジネスマンにもよくある。
たとえば英語を学ぶと一口に言っても、海外で商談をまとめるために学ぶのか、シリコンバレーで話題のIT関連の論文を原書で読むために学ぶのかでは、次にとるべき行動がずいぶん違ってくる。どちらもできるようになりたいと思ってしまうと、最短距離で学ぶという方法が選択できなくなってしまう。
時間を効率的に使うには、目的を絞り込むことが大切だ。ただし、先ほどの例なら、犠牲フライを外野に打とうと思ったとき、その通りに実行できなければならない。当たり前のようで、これが難しいと高畑氏は指摘する。
「それには正しい行動をとれるように習慣化することが大事なんです。素振り一つにしても、正しい動きを繰り返し丁寧に反復していくから、身につくわけです。だからボールがきたときに反射的に反応できるんです」
プロ野球選手にとっての素振りは、ビジネスマナーや、報連相のような基本スキルに当たるだろう。素振りをコーチが修正してくれるのと同様に、普段の行動が正しいかを上司や同僚に聞くなどして確認することで正しい習慣が身についていく。
このように仕事の目的を明確化し、正しい習慣を身につければ成功する可能性が大きくなる。成功を積み重ねることで失敗を引きずったり、新しいチャレンジに尻込みするような弱い心はだんだんとなくなり、効率的に結果を出すことができるようになるのだ。
▼“失敗を恐れない人”の思考サイクル
[1]目的を絞り込む
目的は可能な限り絞り込み、その達成のために行動する
[2]失敗ではなく成功を反省する
できなかったことではなく、うまくいったのはなぜかを考える
[3]正しい行動を習慣化する
客観的な意見を取り入れ、習慣が正しいか確認する
メンタルトレーナー 高畑好秀
1968年、広島県生まれ、早稲田大学人間科学部(スポーツ科学科スポーツ心理学専攻)卒。プロ野球、Jリーグ、Vリーグ、ボクシング、ゴルフなどのプロ選手やオリンピック選手を数多く指導。現在は千葉ロッテマリーンズのメンタルコーチを務める。
1968年、広島県生まれ、早稲田大学人間科学部(スポーツ科学科スポーツ心理学専攻)卒。プロ野球、Jリーグ、Vリーグ、ボクシング、ゴルフなどのプロ選手やオリンピック選手を数多く指導。現在は千葉ロッテマリーンズのメンタルコーチを務める。
(Top communication=構成 的野弘路、貝塚純一、太地悠平=撮影)