Q 基準値を上回っていたら、すべきことはどっち
(A)薬をたくさん処方してもらう(B)年齢を考慮してもらう
(A)薬をたくさん処方してもらう(B)年齢を考慮してもらう
本来、医学というものはエビデンスを積み上げることでより有効な治療方法を模索するものだ。しかし、治療の根拠にされている血圧や血糖などの基準値の妥当性について日本ではほとんど議論されない。
日本人間ドック学会の「基準範囲」が他の学会にさんざん叩かれたのはすでに述べたとおりだが、人間ドック学会は新たな基準範囲を策定する理由として、全国の医療・健診機関において検査の基準範囲がまちまちであったこと、日本人健常者の基本検査の実態が不明瞭であったこと、100万人以上を対象にした大規模研究による基準範囲の設定がないこと、基準範囲には男女差や年齢差が考慮されていなかったことを挙げている。これだけ聞けば、今まで日本において基準値とされてきたものがいかにいいかげんなものかがわかるだろう。
そのいいかげんな数値の実害が明らかになった出来事がある。90年代半ばの話だが、高齢者の長期入院患者に行った投薬や検査に応じて、診療報酬が出ていたのが、患者一人あたりいくらという定額制になったことがある。過剰に投薬する病院は赤字になる。基準値を守らせるために高齢者に対して投薬を続けていた病院は、次々と薬の使用を取りやめた。それで亡くなる人が増えたかというと、そうではない。驚いたことに、それまで寝たきりであった高齢者が元気に歩き出したのだ。
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(唐仁原俊博=構成 奥谷 仁=撮影)

