水面下の選考作業はどうなっているのか。首相官邸関係者は「いまは小池氏を推したいグループ以外に3つの勢力がある」と明かす。1つは小池氏の自民党総裁選への出馬や閣僚就任に反対してきた森喜朗元首相の意向を忖度する勢力だ。森氏は公言していないものの、森氏に近い自民党幹部は「小池氏が都知事になるのは面白くないだろう」(政府関係者)と見て別の候補擁立を模索している。

2つ目は、人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔氏の父親で知られる櫻井前総務事務次官の擁立に固執する勢力。櫻井前事務次官はテレビカメラの前で「都知事選には出ません」と正式に固辞したが、櫻井翔氏の人気を取り込みたい政府高官は「菅義偉官房長官が説得すれば翻意する可能性もある」と巻き返しを狙う。

3つ目の勢力は、与野党で相乗りできる候補を模索する動きを見せている。民進党の選考過程で名前があがる長島氏らに自民党サイドからも接触し、事実上の統一候補として「共闘」するというものだ。

東京オリンピックのドン・森氏の暴走を止められるか。(時事通信フォト=写真)

自民党東京都連の会議では小池氏や石原伸晃経済再生担当相らを推す声があがるが、都連関係者は「心の中で小池氏でいいと思っていても、森元首相や菅氏らが怖くてそれ以上は言い出せない人もいる」という。党都連会長を務める石原氏は自らを推す声があることに「光栄だ」としつつも、「『俺が出たい』という人よりも、混乱を収拾してもらえる人を選んでいきたい」と繰り返し、3つの勢力に配慮する姿勢を崩していない。

ただ、現実的には櫻井氏擁立は困難で、野党共闘の枠組みも考慮すれば与野党での相乗り候補を立てることも難しい。このため、小池氏を推すグループからは「都知事選まで時間がなく、もう選挙準備に入るべきだ」との声があがる。「小池氏ならば都知事選は勝てる」と漏らす公明党幹部はあきれた表情を浮かべる。「安倍晋三政権は女性活躍を推進すると言っていたが、自民党は女性に壁をつくっているんじゃないのか」。

(時事通信フォト=写真)
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