舛添さん辞任! ドタバタだけど暴力なき民主主義はやっぱり素晴らしい!
それにしても今回の件で都知事選に50億円。この結果がよかったんでしょうかね。
舛添知事の公私混同の話は知事になる前の話。ファーストクラスやスイートルーム、公用車利用に関してはこれからは改めると意思表示をした。僕は最初に指摘しましたが、とにかく最初の一発目に土下座して謝罪して金を返して、心を入れ替えると言えば、それで済んだ話だと思います。
それを舛添さん、突っ張っちゃった。弁護士調査が最悪でしたね。あれが引き返せない分岐点。あんなことやらなければよかったのに。
強引に適切だ、という主張を入れ込んでしまった。あれでドボン。全部不適切で反省する、でよかったのに。しかも東京オリンピックの本番直前にまた都知事選挙が行われる。
イヤーこれは酷い状態。最後の最後、舛添さんも「9月末日に辞めるから、そこまでは残務処理をやらせて欲しい」と言えば、オリンピックに向けての混乱は避けられたはずなのに、辞職を宣言せずにただ猶予してくれって……。舛添さん、どうしたんだろう。
あの状況だと全体が見えなくなっちゃうのかな。最後の方はリオのオリンピックまでは猶予を……と懇願していたけど、そこに辞職宣言はなかった。あれでは猶予は与えられないよね。
都民にとっては最悪の状態。次の新知事は、東京オリンピック直前に選挙を迎える。都知事選挙くらいの大きな選挙だと1年前くらいからソワソワし始めて、もう3か月前だと選挙のことで頭がいっぱい。新知事は、自分の選挙のことを考えながら、東京オリンピックのホストを務めなければならない。せめて舛添さんの辞任は9月末にしておいて、新知事が東京オリンピックのホストに集中できるようなスケジュールにすることはできなかったのかな。
それでも誰一人血を流さず、都知事という強大な権力者の首を飛ばすことができる民主主義国家の体制は、それ以外の国家体制よりもずっとましだな~と感じました。これ、国が国なら殺し合いとなって、何の罪のない子供たちの命まで奪われる事態になりますからね。
都知事クラスの権力者の首を飛ばそうと思えば、民主主義の国以外ではとんでもない暴力行為が行われます。今回のドタバタ劇はアホくさーと思われる方が多いかもしれませんが、これは民主主義万歳の結果ですよ。
それから、はっきり言いますけど、僕は都知事選挙には出ませんので。
※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.11(6月21日配信)の一部です。