スリム化するための4ステップ

もっとも、株式などの短期取引で儲けるデイトレーダーの場合は特徴が異なり、長財布を持っている人は少ない。感情的に取引しないように、お金と一定の距離を保つ必要があるからだ。

「デイトレーダーのなかには財布の代わりにマネークリップを使っている人もいます。マネークリップはチップを払うためのものですから、お金を大切に扱っていることにはならない。普通の人にはお勧めできませんね」

マネークリップがよくないことはわかったが、では、どんな財布を選べばいいのか。

「私のほうから『こんな財布がいい』と申し上げることはありません。その前に今の財布の状態を知ることが大切です。財布の現状は行動習慣の表れ。財布を変えても、行動習慣が変わらないと意味がないからです」と亀田さん。

こんなふうに指導するという。

(1)まず財布の中身を全部出して分類する。「中身をすべて出した財布は薄い」ということを実感してもらうのだ。
(2)次に現金だけを財布に戻す。「これが本来の姿ですが、現代生活ではすべてを現金で済ますというわけにはいきません」(亀田さん)。
(3)そこで、必要最低限のキャッシュカードとクレジットカードだけを財布に戻す。「そのときにいつも使う『スタメンカード』と使わない『補欠カード』に分けて、戻すのはスタメンだけにします。補欠は何かあったときのため、自宅に置いておきます」。
(4)最後に、ポイントカードを選別して財布に入れる。このとき、「2週間以上使っていないポイントカードは財布に戻さず、別に保管する」といったルールを決めておく。

こうすることで、財布の中身はきわめてシンプルになる。外見もスリム化して美しい。山口さんのミニ財布と似ているではないか。

新しい財布に買い替えるのは、スリム化した財布が古びてからだ。どれを買うかは、自分の将来像を思い描き「10年後に持っていてふさわしいかどうか」で判断する。

「理想の自分像ができると、日々の感性や行動姿勢も研ぎ澄まされていきます。その結果として、たとえば新しい仕事を任され、お金も増えていくというサイクルです」

まずは財布を取り出してながめ、中身を抜き出すことから始めてみてはいかがだろうか。

(永井 浩=撮影)
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