福山家●30代DINKS/年収700万円台
[夫]34歳 会社員・営業[妻]32歳 会社員・販売[子ども]なし
[年収]559.2万円(手取り)[月収]夫21.1万円/妻15.5万円(手取り)[ボーナス]120万円(合算)

家計再生コンサルタント 横山光昭先生のアドバイス

福山さん夫妻の家計簿で、まず目がいくのは月約3万円の赤字。家計にはゆとりのある、共働き・子供なし世帯ながら、毎月マイナスが続いている。

その原因は、夫と妻が別々に財布のヒモを握っていることにある。「自由に使えるお金が減るのに抵抗があった」との理由で、結婚してからも家計を1つにしなかったのだ。

月々の支払いは費目によって担当を分けていた。住居費や水道光熱費は夫の担当。食費と日用品、医療費は妻が賄う。通信費、生命保険料、交通費、娯楽費は各自で支払い、被服費、交際費などはそれぞれの小遣いに含めてしまうというアバウトさ。

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福山家のレッドカード家計簿

しかも、ボーナスに至っては完全個別管理だ。シーズンごとに何着も買う洋服代は、このボーナスからまとめて支払うのが習慣化。いくら使っているかはお互いに知らず、「夫(妻)が貯金しているだろう」とお気楽に考えていたため、蓋を開けたら貯蓄は2人合わせてもわずか90万円。慌てて家計の見直しを始めたというわけである。

この赤字家計を立て直すには、ボーナスを含めて夫婦の収入を1本化するのが大前提だ。住居費や食費、保険料などの支払いはそのまとめた収入から行う。こうすると家計がシンプルになり、収支が見えやすくなる。

さらに、月10万円に設定されていた夫と妻の小遣いは5万円まで一気に削減。その代わり、お小遣いから出していた休日の交通費や家飲み用の酒代などを一本化した家計から支払う。こうすれば、何にいくら使っているかをお互いに把握できる。不透明だった部分の“見える化”が、浪費のストッパーには有効だ。

もちろん、お小遣いが半減した分、生活に工夫が必要だ。お小遣いの用途としてはランチ代の比重が高いが、たとえば夕食を手作りして、余った料理をお弁当にするという手もある。外食費が浮き、健康にもいいと一石二鳥だ。

家計から出す趣味や洋服の費用も、2人で話し合って優先順位をつけたい。夫はゴルフ、妻は茶道と趣味が異なるならなおのこと、限られた予算の中でお互いに融通しながら使う。お互いを思いやる気持ちも生まれるだろう。