町田家●30代/年収400万円台
[夫]36歳 会社員・総務[妻]33歳 パート[子ども]長男 2歳
[年収]351.6万円(手取り)[月収]夫22.4万円/妻6.9万円(手取り)[ボーナス]なし

家計再生コンサルタント 横山光昭先生のアドバイス

年収が低めの世帯は、将来に備えた貯蓄が欠かせない。少ない収入で蓄えを増やすには、徹底的に節約するか、妻も働きに出て、収入自体を増やすか。効果的なのは後者だが、その場合、注意したいことがある。

1つは子供の預け先とそれにかかる費用だ。待機児童問題が依然として解消されない中、これから職を探して認可保育園にすんなり入れるケースはむしろ珍しい。

となれば、無認可の私立保育園などを利用するしかなく、その費用が高くつく。「保育料のために働いているようなもの」とこぼす人も少なくない。それでも働く意味があるかを、事前によく考えたい。

「家計の助けになれば」と妻がパートを始めた町田さんも、やはり認可保育園に入れず、無認可の施設に子供を預けることになった。その費用は自治体の補助を受けても毎月4万円。パート収入の半分以上を占めている。

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町田家のレッドカード家計簿

もっとも、それは承知のうえでの決断で、保育料を差し引いた残りの収入を貯蓄にまわせればと思っていた。ところが、その貯蓄するはずの収入までがなくなり、逆に赤字になってしまったのだ。

原因は食費と娯楽費の増加だ。特に食費の増加が著しいのは、妻が仕事の疲れで惣菜を買って帰る日が多くなったため。以前ならおかずはすべて1から手作り。買った食材を無駄なく使い切って1カ月3万円でやり繰りしていたそうだ。

娯楽費の増加は、仕事を始めたことによって妻の余裕がなくなり、家の片付けがままならなくなったのが発端だ。「疲れちゃって」という口癖が増え、散らかった家にいると余計にイライラしてストレスがたまる。そこで週末は家族で出かけて、外で食事を済ませる習慣がついてしまった。

町田さんの例は、どこの家でも起こりうる話だろう。「働いているから少しぐらい大丈夫」と気を緩めて使っていると、たちまち赤字に転じてしまうわけだ。