お金が貯まる人の財布といえば、長いものでお札の向きは揃えていて……など、一定の法則を言われることがあるが、それを否定する向きもある。投資家から企業家まで、実際に9人のお金の賢者の財布を覗かせてもらった。

お金は居心地のいい財布を選ぶのか?

いつの間に太ったの? と、自分の体のことは棚に上げ、財布を見て驚いた。原因はレシート、ポイントカード、運転免許証、健康保険証、住民基本台帳カード、キャッシュカードとクレジットカード、電子マネーカード……といったぜい肉のせい。おかげで筋肉(お札)の衰えが目立つ気がする。

「お金の家」である財布に気を使わない人は、金運はもちろん成功運も呼び込めないと聞く。都市伝説だと否定したくなるが、各分野で活躍している成功者の財布はどうなのだろう。ぶしつけを承知で拝見させてもらった。

ワタミグループ創業者の渡邉美樹さんの財布はダンヒルの長財布。寸暇を惜しむ経営トップだから、買い方もあっさりしている。「空港の待ち時間に免税店で買います。気に入ったものを長く使いたいので派手でない丈夫なものを選びます。この財布は10年くらい使っているかな」。

中の主役はワタミふれあいカード。「決済はほとんどカードです。現金はほとんど使いませんが常に20万円くらい入れています」。几帳面な性格ゆえカードは定位置にしまい、お札の向きは下向きに揃える。「財布にレシートをため込むことはありません。無用に太った財布は金銭の出入りを管理していないことの象徴、お金が貯まらないと思いますよ」。……耳が痛い。

ワタミグループ創業者●渡邉美樹さん
「財布は黒など目立たないけれど上質なものを。大体ダンヒルです」
几帳面な性格が財布にも表れている。お札に折り目を付けたくないので長財布にこだわり、お札の向きも下向き(逆さ)に揃える。金額は上限20万円、下限10万円で、下限に近づくと秘書に補充を頼む。カード類は定位置に、領収書類はため込まない。財布の管理ができない人は自己管理ができないと厳しい指摘も。