PCが並ぶ職場で、人どうしの「ヨコの繋がり」が失われている。お互いの仕事が見えず、偏りが生じ、その結果、ムダな時間が費やされる――解決法はないだろうか?
「今は、夜9時を回ることはない」
タスク管理で、実際に時短を成し遂げた事例があった。改善塾歴3年、ソリューションサービスのオージス総研(大阪府大阪市)開発部門のチームリーダー、漁健弘氏(36歳)はタスクを5分刻みで洗い、顧客からの問い合わせや作業依頼の電話で仕事が中断する点に注目した。執筆を中断された後の筆者のアタマの再起動を想定すると、低スペックを差し引いても時間のロスは小さくない。
「こうした電話を“なくせないか”と考えたんです」(漁氏)
作業依頼が有料であることを顧客に確認。週1回、依頼内容をすべて顧客に上げて共有し、類似の依頼を減らした。直接コスト減に繋がるから、顧客も食い付いてきた。
「なぜその問い合わせをしてきたかを朝会で議論したり、お客さんに踏み込んで聞くようにした」(同)ことで何往復もの電話が不要となった。
その結果、「3カ月で電話3割減」目標のところを見事、4割減を達成。
「以前は夜10時、11時の帰宅が普通でしたが、今は9時を回ることはまずありません」(同)
<オージス社> 山下知規氏(39歳)のチーム(写真左上)は他部署がつくったシステムのメンテナンスを、タスクの洗い出しで円滑に進めることに成功。漁氏(同右)のチームは「異動の希望が殺到するチームにする」という目標を、ビジュアルボード(下)で日々の行動に落とし込む。