法則(12)~(15)
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法則(12)~(15)

集中力を高めるには、仕事にタイムリミットを設定して取り組むことが大切です。「タイムリミットを設定している」人は2000万円以上のほうが6.8ポイント、上回っています(法則12)。タイムリミットなしでは、だらだらと自分に楽なように仕事をしてしまいがちです。

さて、集中しても、継続しなければ、目標は絵に描いた餅になってしまいます。

「やると決めて毎日継続していることがある」で、やはり2000万円以上の人が上回っています。とくに私の目を引いたのが、「行動や数字を記録する習慣がある」の結果で、2000万円以上の人が10ポイント以上多くなっていることでした(法則14)。これは数字や日記という形で、過去を具体化・可視化しているわけです。先に将来に向けての目標の具体化について触れましたが、記録を振り返ることで「自分はこれだけやったんだ」という気持ちになれるので、継続のためにも具体化・可視化は有効です。

そして、昔から散々言い尽くされていることですが、継続すれば何事かを成就できるのです。「コツコツと継続することで何かを成し遂げた経験がある」人の割合は2000万円以上が7.6ポイント、高くなっています(法則15)。

法則(16)~(18)
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法則(16)~(18)

ここからは時間の有効活用について、3つの側面から見ていきます。まずは通勤や移動時間の使い方ですが、年収の高い人と低い人で大きな差が出ています。具体的に何をしているかというと、「新聞やメールチェックなど、仕事関連に使っている」人の割合が2000万円以上のほうが高くなっています(法則18)。「それだけ忙しい」という見方もできますが、むしろ仕事の効率を考え、あえてそれをやると決めているのではないでしょうか。

私の場合、パソコンのメールを携帯電話に転送しているので、日中、電車に乗ったら、まずメールチェックをします。電車内でメールを返すこともできますし、電車を降りたらスタッフに指示を出したり、自分から電話したり、次の行動にすぐに移りやすいのです。ちなみに、携帯電話の着信音が鳴ると、携帯に振り回されている気がするので、ずっと音が鳴らないようにしています。

さらに大きな差がついたのが「通勤時間を勉強や教養など自分のために使っている」という設問です。500万円台の人が13.2%なのに対して、2000万円以上の人は28.4%、15.2ポイントも高く出ています(法則17)。本を読んだり、iPodで英会話の勉強をしたりしているのでしょう。そういう努力を怠らない人が着実に力を磨き、仕事もできるようになっていくのです。

逆にいえば、500万円台の人の数字は低すぎるともいえるでしょう。これと対になった「通勤時間を娯楽、休憩にあてることが多い」では、年収による差は見られません(法則18)が、先の設問とあわせて見るとおもしろいことがわかります。500万円台の人は、通勤時間を勉強や教養にあてている人よりも、娯楽を楽しんだり休んだりしている人のほうが多い。ちょっと奮起してほしいですね。

調査概要●ヤフーバリューインサイトの協力により、全国30歳以上60歳未満の男女、フルタイム勤務者という条件を満たす人を対象に、インターネットを通じて調査を行った。調査期間は2009年1月9~13日。個人年収500万円台500人(うち男性76.8%)、2000万円以上500人(同77.6%)より回答を得た。

(構成=荻野進介)