「山本五十六、ドストエフスキーと並びました」
極私的享年表をつくり始めて10年。49歳だった私は還暦を目の前にした59歳になりました。その間、私の年齢は多くの偉人の享年を追い抜いていきます。
享年50歳:西郷隆盛、松尾芭蕉、スティーブ・マックイーン
享年51歳:源頼朝、ナポレオン、シェイクスピア
享年52歳:武田信玄、石原裕次郎
享年53歳:コロンブス、ベーブ・ルース
享年54歳:明智光秀、佐久間象山
享年55歳:ニーチェ
享年56歳:ベートーヴェン、双葉山
享年58歳:杜甫、種田山頭火、開高健
そして今、私は享年59の山本五十六、ドストエフスキーと並んでいます。
追い抜いたといっても彼らの享年より年齢が上になった、つまり長生きしたというだけで、容貌こそ年相応に老けましたが、貫禄や人間的深みを身につけたり、人生を悟るといったこともなく、何の成長もせずに今に至っているというのが実感です。
ただ、それとは別に、死がそう遠くないことを感じるようになりました。
私自身がファンだったり敬愛していたりした存在、すごいなと思っていた人たちが、このあたりの年齢で亡くなっています。
享年56歳:フォーク歌手の高田渡、スティーブ・ジョブズ
享年57歳:谷岡ヤスジ、取材でお会いしたラグビーの名選手・石塚武生、中村勘三郎
享年58歳:毎週聴いて多大な影響を受けた深夜放送のパーソナリティだった林美雄、忌野清志郎、ジョージ・ハリスン
享年59歳:桂枝雀
――多くは年上ですが、中村勘三郎さんは同世代(ひとつ上)でもあり、死の報を聞いた時は衝撃を受けました。「そういうトシになったのか」と。