誤解がないようにいうが、私は真珠湾攻撃を礼賛するつもりで山本五十六を取り上げたわけではない。確かに戦術論においてその構想力は、大変敬服できるが、国家の総合戦略という観点から見た場合は、戦術論とは違った次元の議論が必要になる。
それと同時に真珠湾攻撃が構想力のマキシマムだったのかという視点で考えてみることも必要だ。当時、前がかりに暴走した意見もあれば反対論や慎重論など、さまざまな意見が交錯した中で、山本五十六はコンセンサスを凝縮してよくぞ真珠湾攻撃まで持ち込んだものだと思う。
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