100平方メートルスイート食事つき2.5万円で泊まれる理由
この「エクシブ」は会員権を持っていても、無料で宿泊することはできません。だいたい1万2000円くらいのコース料理が付いてトータル1泊1人2万5000円くらいかかります。100平方メートル超の部屋のディナー付き宿泊料としては安いほうだと思います。
参考までにちょっと調べてみたら、ある箱根のホテルのスイート(100平方メートル超)は、1泊2食付で1人10万円くらいでした。
仮に2人で宿泊するとすれば、計20万円。一方、会員権リゾートホテルなら、計5万円。その差額15万円が会員権を持つメリットのように誤解されがちですが、実はまったく別のところに保有する理由があります。
そもそも、会員権を保有していても、年会費として別途10数万~30数万円はかかります。
会社の福利厚生で契約保養所としてホテル内の下のグレードの部屋に運よく安く泊まれたと思っている人が、気に入ったから会員権を保有しようとしてもおそらくペイしません。
年会費は、自分がオーナーの事業法人に転嫁する、または経費で落とすことが前提になっていますので給与所得のみの方は、10年保有すれば数100万円にもなる保有コストは重すぎるに違いありません。
会員制リゾートとは、「宿泊費を安く浮かせるためにあるのではなく、最高級のサービスをクローズドの会員制の中でリーズナブルに享受するためにある」ということに尽きるでしょう。
もし、頑張って会員権を取得した人がコストを下げようと、食事はホテルで食べずにコンビ二弁当を持ち込む形でトータル1万円程度におさめたとしても、会員制ホテルの機能をフルに使ったことにはなりません。
宿泊者の大半がコース料理を楽しんでいる中で、自分だけそそくさとコンビ二袋を持って隠れるようにして部屋にこもるのは、いかにもカッコ悪い。しかも家族同伴とすると、奥さんや子供の惨めな思いを想像すると、最初から会員制ホテルの会員権など買わないほうがよかったかもしれません。
安価な民宿だってヘビーユーザーになれば無料の部屋アップグレードなどの良心的な対応はしてくれるはずですから、そちらのほうが精神衛生上よっぽどいいです。
費用対効果という意味では、同じ広さの他のホテルよりリーズナブルな100平方メートル以上のスイートに泊まって、1万2000円以上の料理コースをとったほうが結果的にはお得に遊べますし、そういう遊び方をする層にのみメリットがあります。