地球温暖化で北極の氷は溶ける一方だが、就職氷河期の氷河はむしろ厚さを増している。大学通信の調べでは、2010年春卒大学生の就職率〈就職決定者数÷(卒業者数-大学院進学者数)〉は過去5年で最低の74.4%。4人に1人が就職できなかった。その結果、卒業年限を迎えながら留年する学生が増えた。

就職率ベスト80(就職決定者500人以上)
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就職率ベスト80(就職決定者500人以上)

その数なんと7万9000人(読売新聞「大学の実力調査」)。卒業予定者数が約56万8000人だから、7人に1人が留年している計算になる。また国の調査では、就職が決まらないまま卒業した者が約3万1000人もいるという。両者を合わせた就職浪人は約11万人。2008年秋のリーマンショックの余波といえばそれまでだが、高い入学金を工面して最高学府に入れた親も、もちろん当人も、大学全入時代のツケをこんなかたちで支払わされては納得いくまい。しかし、こうした氷点下の寒風の中でもきっちり結果を出す「就職に強い」大学もある。

(ライヴ・アート=図版作成)