(a)ラグジュアリー感を味わえるから (b)父親のように接しやすいから
50代男性はなぜ最強なのか
恋愛はトレードオフで成り立ちます。つまり、異性に何かを与え、何かを得る。その交換条件の中身に納得いけば交際する。50代の男(以下、50男)と30代の女(同、30女)。私の研究と経験からして、双方の相性は悪くない。昨年、テレビ東京アナウンサーの大江麻理子さん(35歳)とマネックスグループの松本大社長(50歳)が年の差婚したのはまだ記憶に新しいです。
さて、50男と30女は互いに何を交換しているのか。まず、50男が与えているもの。それは“カネ”です。統計によれば、ビジネスマンの給与のピークは50代前半。可処分所得が人生で最も高く、女性を喜ばせるために使える額も他世代より増える。デートや食事など恋愛コストは安くないから、資金が豊富な人ほどモテます。
また、彼らはカネに付随する魅力も備え、それを女性に提供しています。例えば、企業内での地位が高ければ、リーダーシップや包容力、気配り力が高く、自信に満ちていて、サービス精神があるでしょう。年収が上がれば、スーツや鞄、靴も自然と上質なものになる。中年おじさんというハンディはありますが、50男の総合的な価値は高く、30女にとって同世代や年下男性にはないラグジュアリー感を得られます。
では、同じ50男で、未婚者と既婚者、どちらがモテるか。これは完全に既婚者に軍配が上がる。なぜか。
未婚男性の目的が結婚だった場合、女性は十数歳年上の男性に介護が必要になる状況を頭に思い浮かべます。相手に潤沢な蓄えがあるなら別ですが、女性はそうした重荷を負うより、金回りのいい既婚男性と不倫を楽しんだほうがいいと思うはずです。
一方、50男は30女から何を得ているのか。女性の価値は生物学的な見地からすれば、生殖機能がピークとなる20歳から徐々に低下していきます。よって、20代の女性のほうが価値は高いのに、30女を選択する男性は少なくない。それは、互いに大人として尊敬し合うことができるからかもしれません。でも男性は、女性にアプローチする狙いが、結婚であれ不倫を含む恋愛であれ、前述したデート費用などの“投資”を回収しようとするもの。その代表的なリターンが、性交による快楽でしょう。男性は高齢になるまで精子が製造されるからです。時間とカネと労力をあまりかけず、ローコストで「目標」を達成しようとするなら、20代より外見や生殖能力においてやや劣る30女のほうが、自分に振り向いてくれて短期リターンを期待できるのかもしれません。
政治学博士。1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、ボストン大学政治学修士号、オレゴン大学政治学博士号取得。国連勤務等を経て現職に至る。恋愛学の主な著書に『結婚は4人目以降で決めよ』『一目惚れの科学』『なぜ、結婚はうまくいかないのか?』等がある。