Q理想の夫像と理想の男性上司像は、どう違うか
(a)まったく違う (b)ほとんど同じである

誰でも理想の男性上司になれる

私は2012年からYelpのバイスプレジデント・オブ・ニューマーケットになりました。Yelpとは29カ国で展開する世界最大級の口コミサイトです。14年には月間平均で約1億4000万人が利用しました。レストランだけでなく、病院、ショッピング、学校、住所を持つあらゆる場所のレビューを投稿できることがYelpの特徴で、14年4月から日本でもサービスを開始しました。

私のバイスプレジデントとしての仕事は、世界中のまだYelpが導入されていない市場に飛び込んで、新規開拓を行うことです。世界中を飛び回る生活を送っていますが、恋人もいて、結婚の予定があります。そこで、理想の上司像、夫像ということで、お話しさせていただきます。

私は幸運なことに、今まで上司に恵まれ続けてきました。私は最初、別の会社で人材発掘の仕事を経験しましたが、そのときにとてもありがたかったのは、上司が取引先との会話を私に聞かせてくれたことです。そこから交渉の技術を盗めということです。現場での生きた会話を聞くのはとても刺激的で、非常に多くのことを吸収することができました。その後、07年にYelpに移りました。

Yelpは日本でのサービス開始から1年たらずですが、ユーザー数もレビュー数も順調に伸びています。私があちこち飛び回りながら世界中で新規市場の開拓を成功させることができたのは、上司の存在が大きいです。私はYelpに就職して以来、ずっと同じ上司と仕事をしています。彼は私が考える理想の上司像、そのままの人物です。つまり、頭がよくて仕事ができるけど、部下の裁量を認める度量もあるし、とてもオープンに話してくれる、ということです。

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職場で魅力的だと感じる男性社員の条件とは

そして、サポートをしっかりしてくれるところにも感謝しています。私が訪れるのはいつもYelpにとって未開の地ですから、そこでサービスを展開するということは会社の誰もまだやったことがないことをやるということです。次にどの国を訪れるかのプランを私が提出すると、上司はその国についていろいろなことを尋ねてきます。そのセッションの中で課題を整理したり、隠れていた問題が明らかになります。現地に乗り込む前にセッションを重ねることで、不安要素のほとんどをつぶしてしまうので、安心して仕事にかかることができます。

私は大きな裁量を持たされていますが、部下が問題を解決するための道筋をつける上司の存在なくして、ここまでの成功はなかったでしょう。そういう意味では本人がバリバリ仕事をこなすことができる有能な人物というだけでは理想の上司たりえません。虚心坦懐に何でも話せるような関係性をつくることができるかということが重要なファクターです。

よくよく考えてみると、私にとっての理想の上司像と夫像はほとんど一致しています。ということは理想の上司は理想の夫たりえるのでしょうか。結論から言うと1つだけ違いがあります。それは相手をロマンチックに感じられるかどうかという点でしょう。私の恋人も上司同様オープンな性格で、頭がよくて、思いやりがあり、いつも私を笑わせてくれますし、尊敬しています。そこまでは上司にも共通するところですが、出会って、話をして、とてもかわいく感じたことが私が彼を選んだ最大の決め手です。

Yelp バイスプレジデント Miriam Warren(ミリアム・ウォーレン)
1980年生まれ。米国ミルズ大学で民俗学学士号取得。Mckessonに入社し、人材発掘や採用を担当後、2007年にYelpに転職。ヨーロッパのマーケティング担当バイスプレジデントを経て、アメリカ、ヨーロッパ、アジアで新市場開拓を担当。
(撮影=向井 渉)
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