グループ力アップを狙う「人事戦略会議」の設置
企業価値を高めていくのは、やはり人だ。グループ全体の人事運営にあたっては、社員の「市場価値」を高めていく仕組みが求められており、そして、そのキーワードが「リザルトドリブン」だ。単なる結果主義ということではなく、担当する業務に適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、それに徹底的に拘りを持つこと、そしてこのKPIをどのように達成したのかをしっかり評価する仕組みが大切だ。
根底にあるのは、年功主義から脱却し、真の実力主義を徹底させるということ。つまり「市場価値ベース」による配置と処遇の実現だ。これによって、高い総合力や専門性を有する人材の登用にもつながるだろう。こうした考えの背景には加速する海外展開があることはいうまでもない。振り返ってみると、国内でうまく機能していた日本流の人事制度は世界的には異質となっているような気がする。結果ではなくプロセスを過度に評価する傾向があり、人事考課をする側も、される側もこの傾向を暗黙の了解としていたように思う。ところが、活躍している外国人とさまざまな機会に仕事をするようになり、彼我の違いが肌感覚でわかるようになった。
SOMPOホールディングスで現在活躍している外国人CEO達は、常に「市場価値ベース」のグローバル競争にさらされている。彼らに権限委譲を図る一方で、経営の透明性を確保しながらKPIの達成に尽力してもらっているが、前提として、競争原理のもとでの経営人材の需給が彼らの報酬を決定する要因のひとつともいえる。