賃上げ率は、正社員>非正規
今年の春闘は正社員のベア拡大が注目を集めているが、その一方で契約社員やパートなどの非正規社員の賃上げも相次いだ。
トヨタ自動車の非正規の賃上げ額は過去最高の月額6000円。KDDIも一律4800円の賃上げを達成した。
非正規パートが多い流通・飲食・サービス業の労働組合を多く抱える産業別労組のUAゼンセン同盟の発表(4月10日)では、平均時給引き上げ額は18.4円。引き上げ率は2.00%だ。昨年に比べて2倍以上のアップだという。
だが、非正規の賃上げの要因は、安倍首相の賃上げ要請や労働組合の力量というより、人手不足にある。
小売・飲食業を中心に人手不足が顕在化。欠員が発生し、営業基盤が揺らいでいる企業もある。時給を上げて人材を確保しなければ企業の存続すら危ぶまれる状況になっている。そのため、時給をアップさせた。
しかし、だからといって正社員との格差が縮小したわけではない。UAゼンセン同盟が調査した今春闘の正社員の賃上げ額の平均は6290円。アップ率は2.33%。なんのことはない。正社員も同じ比率でアップしており、非正規との格差は維持されたままだ。