春、新人や転職組の歓迎会まっ盛りだ。上司として自戒すべきはセクハラ。異性に対してはもちろんのこと「同性の部下」への言動も要注意だ。

なぜ、会社の宴会で人生を棒に振るのか?

4月は新入社員や人事異動で職場のメンバーが入れ替わるシーズン。歓迎会や花見宴会も多いが、注意したいのはセクハラ発言。まかり間違うと一生を棒に振ることになる。

「夫婦間はもう何年もセックスレスやねん。でも俺の性欲は年々増すねん。なんでやろうな」

大阪の会社内でこんなセクハラ発言をマネージャーから何度も聞かされた女性従業員が会社に申告。会社は30日の出勤停止処分に加えて係長への降格を命じた。マネージャーは不当な処分と反発。女性は明確な拒否の姿勢を示さなかったなどと訴え、最高裁に上告したが、今年2月26日。最高裁は会社の処分は「妥当」との判断を下した。

女性の胸やお尻に触るのは、もちろん御法度だが、自分の性的事情まで語るのも気をつけたほうがよい。

▼「あの美人の派遣社員を呼べ」

一次会が終了し、「ねぇ、カラオケ一緒に歌おうよ」「ほら、君は課長の隣に座って」と、こう女性社員にしつこく迫るシーンはしばしば見かけるが、こんな言動も許されない。厚労省のガイドラインによれば「アフターファイブの宴会であっても、実質的に職場の延長線上のものであれば、職場に該当する」としている。その席でデュエットやお酒の酌の無理強いはセクハラにあたることになる。

実際にヒヤリ体験を味わった大手重電メーカーの人事担当者はこう語る。

「夜の7時頃、営業課長から『今、役員と飲んでいるんですが、派遣社員のAさんを呼べと言っているのですが、どうしたらいいか』と電話があったのです。驚いて『絶対に呼ぶな』と注意しました。たとえ本人がOKしても、役員の日頃の言動を見ていると、何が起こるかわかりません。訴えられたら会社の責任問題に発展しますから」