経営能力層 日本20% 英米50%

企業のグローバル化に伴い、競争に打ち勝つためのプロフェッショナル人材が強く求められている。

しかし、日本人は基礎能力が高いものの、欧米企業に比べて経営能力を兼ね備えた人材が組織全体で大幅に不足している。前回の記事(http://president.jp/articles/-/14768)でグローバルビジネスコンサルタントの白藤香氏はその証拠の1つとしてOECDや世界銀行のデータなどをもとに英『エコノミスト』誌が分析した日本と英米企業の能力層分布(データを白藤氏が加工)を示した。

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トップの人材は、英米は「5」だが、日本は「2」しかない

経営能力層が、日本企業の場合は20%未満であるのに対し、英米企業は約50%を占める。

白藤氏はその差は日本企業の硬直した組織・人の運用や働かせ方に根本的な原因があることを指摘した。その結果、今の日本企業のミドルの多くが“塩漬け”状態にあるとも言っている。

では塩漬け状態にならないためにビジネスパーソンは自分のキャリアをどのように築いていけばよいのか。就職・転職の際の会社選びの秘訣を白藤氏に聞いた。

▼キャリアプラン描いてる?
――日本企業の組織・人の運用が40代のミドル社員を“塩漬け”状態にしていると指摘していますが、そうならないためには個人としてできることは何ですか。

【白藤】やはり自分は何をしたいのか、自分を軸にしたキャリアプランを持って、会社を選んでいくスタイルに変えていかないといけません。いつまでたっても終身雇用だからその会社を選ぶというスタイルでは絶望的な未来しかないと思います。

――終身雇用を希望する人が何割かいてもいい。でも全員がそうだと会社や個人も不幸になる?

【白藤】もちろん全員がそう(自分を軸にしたキャリアプラン)である必要はありません。でも新入社員の意識調査で多くの人が定年まで会社に残りたいと答えているのを見ると日本は終わるんじゃないか、と危機感を持ってしまいます(笑)。

ヨーロッパの長期雇用の会社でも7~10年ぐらいかけて一定の成果を上げた人は転職し、次の成長に向けて新しい領域にジョブ・チェンジするのが普通です。でも中には何十年もいる人もいる。たとえばオリンパスの元CEOマイケル・ウッドフォードもその一人です。ロンドンで彼に会い「どうしてヨーロッパ人なのに転職しなかったの?」と聞いたら「オリンパスでは自分ができること、やりたいことを与えられたので環境を自ら変えることをしなくてもよかった」と言っています。私はそれも一理あるかなと。つまり、その会社にいて自分の能力も開拓できるし、自分のキャリアプランと会社が与える機会がマッチし、成功の実績を積み上げていけるなら会社を変わる必要はないわけです。