医学部は全国の私立中高一貫校が

昨年トップだった刈谷は16人減の78人で2位に後退した。他の旧帝大の合格状況を見ると、東大と京大ともに9人だが、昨年と比べて東大が1人増なのに対し、京大は6人減。一方、大阪大や北海道大の合格者が増えており、安全志向がうかがえる。

3位は前年の合格者を6人上回る58人となった岡崎。愛知県のトップ校の一つで、東大合格者数が27人で全国の公立校の中で4位。京大24人、大阪大12人、北海道大6人など一宮と同様に旧七帝大全てに合格者がいた。名古屋大の合格者ランキングでトップにならないのは、他の難関大が視野に入るためだ。塾関係者が言う。

「数多くの研究所がある岡崎市は教育意識が高い家庭が多く優秀な生徒が入学しているため、東大や京大などの難関大志向が強いのです」

4位は合格者が19人と大きく減った明和。5位は旭丘と東海で公立と私立のトップ校が入った。両校も岡崎と同様に名古屋大以外の難関大を志望する生徒が多いため、この順位に留まっている。旭丘は東大合格者数が25人で全国の公立校の中で岡崎に次ぐ5位。京大29人、大阪大19人、北海道大14人は岡崎を上回る。

東海は東大27人、京大34人、北海道大16人、大阪大14人など旧帝大に高い合格実績を残すと共に、国公立大医学部にも100人以上の合格者がいる。名古屋大合格者52人のうち24人が医学部(医学科)の合格者だ。

以降のランキングは、7位時習館、8位南山、9位一宮西と豊田西、11位菊里まで愛知の高校が続く。ベスト20中、県外の高校は12位の四日市、16位の岐阜、17位の岐阜北、18位の大垣北と近隣の4校のみで、ランキングの大半は公立校だ。

もっとも医学科のランキングは状況が異なり、1位は前出の東海で、2位南山(16人)、3位が三重の高田(7人)でベスト3を私立中高一貫校が占めた。4位は合格者が6人で旭丘と岡崎の公立校が入ったが、6位に滝(4人)、7位に奈良の東大寺学園(3人)、9位は合格者2人で、東京の開成と白百合学園、岐阜の麗澤瑞浪、愛媛の愛光と鹿児島のラ・サールが入るなど、全国の私立中高一貫校がベスト10に並んだ。地元の公立校優位な全体のランキングと対照的な結果といえよう。

(山口典利=撮影)
【関連記事】
出身大学は人生にどれほど影響するか
地元医学部の独占率2割超! 名門公立高校が強すぎる
全国・高校の「地頭力」ランキング
現役医学部生座談会「1%の才能と99%の努力です」
なぜ「偏差値が高いから医師を目指す」は間違いなのか