筑紫丘、福岡、修猷館3校の首位争い
今春の九州大の志願者数は前年を701人下回る7985人だった。学部別の出願状況を見ると、文系学部は経済学部が960人(8人増)で前年並みだった他は、文学部531人(40人減)、教育学部92人(30人減)、法学部539人(182人減)と大きく志願者が減っている。理工系学部は理学部844人(28人減)、工学部2668人(15人増)、芸術工学部520人(31人増)と前年並みだった。農学部は減り幅が大きく今春の志願者は134人減で636人だった。医療系学部では医学部も前年を290人下回る690人と減ったが、これは今春から医学科が後期日程を廃止した影響だ。その他の医療系の志願者数は、歯学部236人(38人減)、薬学部269人(13人減)だった。
九州大の高校別合格者数ランキングでトップを争う高校は、福岡と筑紫丘、修猷館の3校で、ほぼ毎年100人以上の合格者を出している。3校の合格実績が拮抗するのは、福岡県の高校入試が学区制を採用しているため、優秀な生徒が一校に集中しないからだ。
そうした環境の中、今春は筑紫丘が135人(3人増)で、昨年の2位から13年ぶりのトップになった。同校の東大合格者数は前年を6人上回る14人で、福岡の公立校の中で最多。その他、京大14人、大阪大15人。北海道大、東北大、名古屋大が2人ずつなど、旧七帝大に高い合格力を誇る。同校の関係者は、高い進学力の要因について、こう話す。
「教員と生徒の信頼関係が強く、生徒が最後まで授業についてきた結果です。原則的に習熟度別のクラス編成を行っていないため、どのクラスにも東大や京大の合格者がいます」
2位は昨年1位の修猷館で、昨年と比べて4人減の134人だった。他の旧帝大の合格状況を見ると、東大が7人で昨年より10人減だが、京大は前年を9人上回る20人。東大、京大以外にも大阪大9人、北海道大7人など旧七帝大に強い他、早慶にも早稲田大40人、慶應義塾大17人と多くの合格者がいる。
3位は福岡。合格者が12人増えて125人となったが、昨年と同順位だった。上位2校より難関大合格者数は少ないが、東大3人、京大11人、大阪大9人、北海道大4人、東北大2人、名古屋大1人と旧七帝大全てに合格者がいるトップクラスの進学校だ。