兵庫県公立校が躍進する理由
関西学院大の今春の志願者数は前年を2407人下回る4万3106人で、昨年、増加した志願者数が再び減少に転じた。学部別の出願状況を見ると、最も減ったのは文学部で685人減少して5725人。次に人間福祉学部で624人減って1920人だった。その他、361人減で4899人の経済学部と294人減で3460人の教育学部、276人減で2180人の国際学部を除くと減少幅の小さい学部が多いが、受験生に人気が高い学部系統である理工学部も155人減って5851人になるなど、全11学部中、総合政策学部以外の10学部で志願者が減少した。
今春の全合格者に対する都道府県別の占有率を見ると、以前は大阪の占有率が地元の兵庫を上回っていたが、地元志向の強まりもあり、05年以降は兵庫が大阪を上回っている。それでも大阪の占有率は依然として高く今春は29.7%で、兵庫の33.3%と合わせると、両府県で全合格者の6割以上を占めることになる。
1985年から2004年までの間で、高校別合格者数ランキングの歴代1位の高校を見ると、大阪は清風(16回)、茨木、三国丘、履正社(各1回)で合計19回トップになっているのに対し、兵庫は1992年の長田の1回だけだった。それが合格者の占有率が逆転した05年以降は、大阪が豊中(3回)、履正社(2回)、清風(1回)で合計6回なのに対し、兵庫は北摂三田(3回)、長田(1回)で合計4回と接近している。兵庫の公立校が着実に合格実績を伸ばしているのだ。
こうした状況を背景に最新の高校別合格者ランキングを見ていこう。今春の1位は13人増で189人となり、前年の2位から上がった履正社。同校は関西学院大に強い大阪の私立校で、07年の206人が最高で毎年多くの合格者を輩出している。関西学院大以外の難関大合格実績は、京都大3人、大阪大7人、同志社大64人、立命館大77人、関西大45人などとなっている。