最難関公立校の物足りない実績

神戸大の今春の志願者数は前年を146人下回る1万0087人だった。学部別の出願状況を見ると、文系学部では経済学部が134人と大幅増で570人になった。昨年の倍率(受験者数÷合格者数)が1.8倍と低かったため、人気のない経済系ながら志願者が集まったようだ。国際文化学部はグローバル人材を養成する国際系人気を背景に74人増の681人。法学部は前年の大幅志願者減の反動で82人増の862人だった。経営学部は前年の大幅志願者増の反動で97人減って807人。文学部は68人減って406人となり倍率は1.7倍だった。文理融合型の発達科学部は1166人(121人増)だった。

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「神戸大学合格高校ランキング」
私立大と一部の国公立大は大学公表のデータ。合格者数を公表していない国公立大については高校発表のデータを使用、大学通信とサンデー毎日の共同調査。(協力/大学通信)

理系学部は海事科学部が62人増で839人、農学部が775人(2人減)と前年並みだった他は全て志願者減。理学部617人(117人減)、工学部2489人(138人減)、医学部875人(197人減)となった。医学部は医学科の志願者は前年並みだったが、保健学科が200人以上減少した。理系学部の人気が高いにも関わらず志願者減が目立つのは、旧課程最後ということで安全志向が働いた影響と見られる。

高校別合格者ランキングを見ると、トップは合格者が3人増えて50人となり、前年の2位から上がった長田だった。東大4人、京大23人、大阪大29人などの難関国立大の合格実績を残している。2位の奈良は合格者が10人増で46人となり前年の5位から上がった。

前年の1位から3位に順位を落としたのは神戸で、4人減の45人だった。同校は京大合格者が4人減って22人となったが、他の旧七帝大は東大5人(1人増)、北海道大7人(2人増)、大阪大46人(14人増)と合格者が増えている。塾関係者は言う。

「兵庫の最難関公立校としてはもの足りない合格実績です、15年から通学区が現行の16から5になり、より広範囲から生徒が集まるので、さらに難関大の合格実績が伸びるでしょう」

4位の茨木は全府から募集できる文理学科を持つ大阪の進学指導特色校だが、5人減の41人で3位から4位に下がった。もっとも、京大20人(7人増)、大阪大57人(3人増)と、神戸大より難関な大学の合格者が増えており、進学指導特色校に指定された効果が表れている。