名古屋経済復活も2年連続志願者減
今春の名古屋大の志願者数は、前年を167人下回る4769人で2年連続の志願者減となった。学部ごとの志願者数を見ると、文系は文学部が6人増で246人となった以外は、教育学部140人(21人減)、法学部248人(33人減)、経済学部403人(91人減)と全て志願者が減少した。受験生に人気が高い理工系学部も理学部が26人減で575人、工学部が83人減で1838人と志願者が減っている。他の理系学部は志願者が増えており、農学部360人(29人増)、医学部710人(24人増)、文理融合型の情報文化学部は249人増(28人増)となった。
名古屋大の地元である東海地区の受験生は地元志向が強いことで知られる。その影響で名古屋大は旧七帝大の中でも地元の高校の占有率が高い大学だ。合格校の都道府県別の割合を見ると、愛知だけで52.7%と半数を超えている。これに岐阜、静岡、三重を合わせると73.6%となり、合格者のおよそ3分の2が東海4県の高校出身者となる。
このように地元志向が強いにもかかわらず、名古屋大の合格者数ランキングは、北海道大や九州大のように、一つの高校で合格者数が100人を超えるケースは少ない。過去の高校別合格者数ランキングを見ると、2007年の一宮が最後で、それ以降はトップの高校でも2桁の合格者が続いている。突出した高校がないのは、愛知県の高校入試が尾張と三河の2学区に分かれてそれぞれの学区でグループ選抜を行っている影響だ。
合格者数に突出した高校がない名古屋大だが、2004年からの10年間で合格者ランキングの1位になったのは一宮と刈谷、岡崎の3校しかない。中でも06年以降、一宮と刈谷でトップを分け合っており、今春は一宮が15人増の97人となり、刈谷を抜いて1位になった。同校は東大合格者が県内の公立では岡崎、旭丘に次いで多い13人で、京大18人、大阪大7人、北海道大4人、東北大3人、九州大1人と旧七帝大全てに合格者がいた。