「高市発言」に怒り心頭の習近平
高市首相の発言をきっかけに、日中関係が悪化している。それに伴い、中国政府は、国民に日本への渡航を自粛するよう呼びかけている。また、1月6日、中国の商務部は、わが国に対する軍民両用(デュアルユース)品目の輸出管理を強化すると発表し、即日、実施したようだ。
中国の習近平共産党総書記・国家主席・中央軍事委主席は2026年1月12日午前、中国共産党第20期中央規律検査委員会第5回総会で重要演説を行った。
管理対象品目には、レアアース(希土類)関連も含まれるとみられる。レアアースは、半導体や自動車などの産業に必要な物資で、その影響は小さくはない。
昨年11月、高市首相は国会で、台湾有事はわが国の存立危機事態になりうると答弁した。それ以降、中国は態度を硬化させ、わが国への批判を強めた。
中国の対日強硬姿勢には、中国の国内事情も影響しているだろう。中国では、不動産バブル崩壊により経済環境がかなり厳しい。若年層の失業率は上昇し、“芭比Q了(終わった)”などの表現がSNSに氾濫し始めた。そうした怒りや不満を緩和し、不満の矛先をわが国に向かわせようとの意図もありそうだ。
中国との貿易が円滑に進まないと、わが国の経済にはマイナスの影響が出ることは避けられない。経済面ばかりではなく、安全保障上の問題も顕在化する可能性もある。防衛予算が増えると、経済対策への余力が減殺されることも考えられる。現在、日中問題はわが国の経済・安全保障にかかわる重大なリスクの一つになってしまった。

