「理高文低」の逆風も志願者減に歯止め
就職難を背景として、理系学部の人気が高く文系学部の人気が低い、「理高文低」の学部志望状況が続いている。そうした受験生の動きをまともに受ける難関大が一橋大だ。社会学部、法学部、経済学部、商学部と、受験生の人気がない系統の学部で構成されていることもあり、志願者が3年連続で減少してきた。しかし、今春はそうした流れに歯止めがかかったようだ。予備校関係者は言う。
「倍率が下がり続けて入りやすくなってきたので、受験生が戻ってきました。志願者の減少が底を打ったと見られます」
今春の一橋大の志願者数は3963人で、18人と僅かだが増加に転じた。学部ごとの動きを見ると、2年連続で志願者が200人以上減っていた経済学部が94人増で1559人となった。社会学部は経済学部を上回る163人増で1030人。他の2学部は志願者が減少し法学部619人(90人減)、商学部755人(149人減)となった。
高校別合格者ランキングを見ると、昨年より合格者が9人増えた桐朋が23人となり2009年以来、5年ぶりにトップになった。同校は03年にも1位になっており所在地が一橋大のそばということもあり一橋大に強い高校だ。他の難関大の合格状況を見ると、東大22人、京大6人、北海道大3人、東北大9人など、旧帝大に数多くの生徒が合格している。2位の国立は昨年より5人増で20人。学校の場所が一橋大に近い立地条件もあり03年に1位になるなど、同校も一橋大合格者ランキング上位の常連校だ。
3位の市川(19人)は13人増と合格者を大幅に増やし、昨年の39位から順位を大きく上げた。慶應義塾大109人、早稲田大159人、東京理科大122人、明治大168人など私立大に多くの合格者を輩出する一方、東大11人、京大2人、北海道大7人、東北大9人など、旧帝大の合格実績も高い高校だ。