老いを満喫するにはどうしたらいいか。精神科医の和田秀樹さんは「人生の後半になってから新しい趣味を初めてのめり込むのは、『いいとき』に出合えたと言える。幸福感のピークを高齢になってから迎えることができれば、『死ぬのも楽しみ』という気持ちが自然に生まれてくる」という――。

※本稿は、和田秀樹『死ぬのも楽しみ』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。

写真を撮る年配女性
写真=iStock.com/yamasan
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映画を撮って「遅すぎた」と後悔はない

私が映画を撮り始めたのは、50歳間近のころでした。

映画を撮りたいという夢は高校生の頃からあり、医学部を目指したのも「医者になれば資金も稼げるし食いっぱぐれはないから、映画で食えなくても続けられるだろう」と思ったからです。

受験生の頃も映画館に通い続けていました。そして、大学生のときに映画づくりに挑戦しましたが、資金が続きませんでした。

当時、すでに注目を集めて話題作を撮っている映画監督の中には、20代の新人もいました。焦りがなかったといえばウソになりますが、私が初めての劇場映画「受験のシンデレラ」を撮ったのはそれから30年近くも経ってからでした。

ですが、それでとくに「遅すぎた」と後悔することもありませんでした。次から次にいろいろなことに手を出してきた私ですが、映画はいくつになっても撮れると思っていたからです。

それはいまでも同じで、「一本ぐらい大きな映画を撮って死にたい」という気持ちがあります。