楽しそうな高齢者に共通の特徴は何か。精神科医の和田秀樹さんは「生きていくうえで、自分なりの主義・信条を持つ人は大勢いるが、70代、80代になったら邪魔なだけだから捨てるべきだ。自分が楽なように、楽しいように暮らしていけばいいのだから、すべてそのときの気分や『こうしたい』という欲求に従って、無責任に生きるといい」という――。
※本稿は、和田秀樹『死ぬのも楽しみ』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。
長生きを前提とした老後計画を立ててはいけない
「やることがもう少し片づいたら」とか、「数値が正常になったら」、「世の中が落ち着いたら」といった考え方は、自分がまだまだ生きていくこと、長生きすることを前提にしています。
ところが、長生きを前提にしてしまうと、今度はふたつの条件が加わってきます。言うまでもなく健康であり続けること、そしてお金です。
健康を維持するためには、とりあえず医者の指示に従うしかありません。健診で数値に異常が見つかればすぐに再検査を受けます。ところが、検査設備の整った大きな病院ほど、診療科はいくつにも分かれています。
細かく分かれた診療科を次々に受診しているうちに、それぞれの専門医から数値を正常に戻す薬を処方されます。
その結果、私がいつも非難している薬の多剤・多重服用で、高齢者の身体も精神もボロボロになっていきます。
多くの医者は、自分が診察できる狭い専門領域でしか患者と向き合いませんから、その領域内の数値を正常にすれば治療したことになるのでしょうが、そもそも正常な数値とされるものに根拠はありません。それぞれの領域で寄ってたかって薬攻めにされる患者の健康のことなど考えていないのです。
もちろん、薬だけではありません。これにさまざまな食事制限が加わります。
脂っこいものはダメ、塩辛いものもダメ、甘いのもダメ、お酒は控えめに、焼き鳥で日本酒を飲んで〆にラーメンなんて論外です。

