奨学金は“悪い借金”じゃないと思い込む

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図表2 「孫の教育資金なら1500万円まで贈与税ゼロ」税制改正大綱の概要

今の親世代は、塾代を含めた学費の負担が大きく貯金もままならない。実際、これだけ長く続いたデフレ期にも教育費だけは上昇してきた。そうした実情を説明すれば、祖父母世代にとってサプライズとなるかもしれない。

いざというときは奨学金を借りれば……と考えている親子も多い。が、菅原氏は、「奨学金という選択肢は、最後の手段です」と強調する。

「今は大学生の2人に1人は奨学金を借りているとも言われます。『足りなければ借りればいい』と考えて安易に借りる親子が多いのですが、それはマイナスの財産を背負って社会人として踏み出すということ。貯金したくてもできない状態が最長20年(日本学生支援機構の最長返済期間)続く可能性があります。それをカバーできるのであれば、頼む価値は十分あるのでは。奨学金に頼る前に、一度祖父母に相談してみたほうがいい」

奨学金・教育ローンは“悪い借金”じゃないと思い込んでいる親子が多いが、いいも悪いもなく借金は借金。菅原氏によると、「何とかなるわ」と安易に借りてしまう親と、事業を営むがゆえに借金の怖さが身に染みていて、「怖くて借りられない」と進学をあきらめさせる親との両極端がいるという。しかも必ず就職できるという保証などないから、就職に失敗すれば親が返済の負担をもろにかぶる危険性もある。

「カッコつけても仕方がありません。住宅費だったら『贅沢せず、身の丈に合ったのを選べ』と言われても、教育費の相談を持ちかけて祖父母の機嫌が悪くなったとは聞いたことがありません。社会に出る前に最低限の教育を受けるための必要経費と考えれば抵抗はないのでは」(同)

その必要経費が今後も上がりかねない昨今、子孫に美田を「残せぬ」のならともかく「残せる」のに「残さぬ」と言い張る祖父母はおそらく少数派。脛かじりの“汚名”は甘んじて受けつつも、なりふり構わず祖父母にバックアップをお願いするのを、親世代が躊躇する理由は何もない。