まさに夢の対談だ。総理候補ナンバー1の小泉進次郎氏と気鋭の論客瀧本哲史氏の描く恐るべき「未来予想図」が明らかに。会場大騒然! ここから新しい日本が動きはじめた──!

自民党嫌いの友人と付き合い続ける理由

衆議院議員 小泉進次郎氏

【小泉】この公開対談のテーマは「武器としての仲間」ですね。その点では、僕は政治家とつるむ機会はほとんどない。反対に友人には自民党のことが大嫌いだろうな、という人も多い。内側に閉じこもりたくないんです。僕が一番よくないと思うのは、政治のことしか話せない政治家。それはつまらない。

【瀧本】僕と小泉さんの政治信条はかなり違うと思います。しかし、付き合いの中では問題になりませんね。

【小泉】「仲間」をつくるときには、思想信条は関係ありません。それより、理屈抜きに「この人は何かすごい」という実感や、「まわりがすべて敵になっても、こいつは俺を支えてくれる」という信頼感が大事です。

僕は2009年の衆院選に神奈川11区から出馬しましたが、そのとき仲間のありがたさを実感しました。自民党が大敗した選挙で、私にも世襲批判など大変な逆風がありました。ペットボトルを投げつけられたり、名刺を目の前で破られたり、太鼓を叩き鳴らされたり……。そんな状況に耐えられたのも、仲間がいたからです。いま振り返るとあの逆風を経験できてよかったと思います。

【瀧本】2009年の総選挙では「小泉チルドレン」が相次いで落選しましたが、進次郎さんは違いましたね。

【小泉】僕は本当の子どもだから(笑)。

【瀧本】僕もタクシー大手・日本交通の経営再建を手伝ったときに、逆風を味わいました。コンサル会社から転職してきたわけのわからないやつが、3代目と一緒に会社をかき回そうとしている――。そんな反発があった一方で、再建が軌道に乗ると、今度は掌を返したように人が集まってきました。

【小泉】政権交代が確実視されるようになったとき、これまで民主党政権で権勢をふるっていた官僚が、僕に擦り寄ってきました。この人は、もし自民党が野党に戻ることがあれば、また同じことをするのでしょう。官僚は政権交代に左右されず、信念を持って仕事ができるはずですが、こういう人を見ると、人としてさみしく思います。

【瀧本】「機を見るに敏」という人たちは、長期的には損をするでしょうね。

【小泉】下野した民主党に残っている人には注目していましたが、最近の状況を見ると再建には時間がかかりそうです。