「AIが人類を滅ぼす」無視された警告

また、世界的なインフレが進行する恐れがある。気候変動の激化や地政学リスクで、エネルギー資源などの価格上昇や人件費上昇などが顕著だ。米国、わが国、ユーロ圏では追加利上げの公算も大きい。金利はさらに上昇するだろう。

金利が上昇すると、企業が将来生み出すお金の流れ=キャッシュフローの現在の価値は小さくなる。特に、借り入れに依存して、データセンターを運営・建設する企業の負担は増す。金利がさらに上昇する場合、先ほど触れたコアウィーブなど新興AI企業のデフォルト(債務不履行)が増える恐れがある。

足元で、コアウィーブの社債は売り込まれ、そうしたリスクを織り込み始めたようだ。過去、成長期待が高い新興企業の財務内容が、金利上昇などで悪化し株式や社債の価格が急落したケースは多い。また、類似企業に連鎖的な破綻が起きることもある。

成長期待を揺るがす重要なイベントが起き、バブルが終焉を迎えたケースは多い。チャットGPTの登場以降、個人も機関投資家もAIで企業業績は急拡大し、世界経済の成長は加速すると信じた。AIで人類滅亡の危機が高まるという、専門家の警告は事実上無視された。

「AIバブル」の終焉の兆し

今回のPHPショックは、AI成長神話の崩壊につながる可能性がある。PHPの脆弱性をAIが見つけ、一時的であれ、世界の経済活動に混乱が生じた。これは、投資家にとって想定外の展開だ。PHPショックで、「世界は映画『ターミネーター』のような状況に直面する」と指摘する専門家もいる。

PHPショックは、人々がAIの危険性を理解する契機になるだろう。投資家の間では、株を売って利益を確定する動きが強まる可能性がある。

10月8日以降、米AI関連銘柄の下落で、日本の個人投資家の中からも不安の声が出始めた。具体的には、「S&P500とオルカンをセットにした積立投資を続けてよいのか」「ナスダック100インデックスに連動するETFとファングプラスのETFを積立投資しているが問題はないのか」などだ。