自分だけのベストアルバムをつくる

昔から、部下たちには「尊敬する人をつくってはいけないよ。尊敬する人物をつくってしまうと、生涯その人を超えられなくなるぞ」と言ってきました。

音楽を聴く時は、何人ものアーティストやグループのお気に入りの曲を集めたプレイリストを作っている人も多いはず。

ビジネスでも、この世の中にはすばらしい人が大勢いるのだから、素晴らしいと思うところだけを集めて、自分だけのベストアルバムをつくればいいのです。

成功している人は「できる人をTTP(徹底的にパクる)している」という話をよく耳にします。すべてを一から考えて身に付けるのではなく、まわりの優秀な人の仕事の仕方などをマネて、自分のものにしているということです。

それは最短で自分の能力をアップできるので、目標達成の基本スキルだと言えます。ただし、尊敬できる人物のすべてをマネる、という意味ではありません。

仕事がデキる人は、やはりいいとこどりをしているのだと思います。Aさんからは営業トーク、Bさんからはプレゼン資料のつくり方、Cさんからは上司の説得の仕方、というようにいいところを集めて、自分なりのスキルをつくりあげているのでしょう。

会議をしている若いビジネスマンたち
写真=iStock.com/b-bee
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最近は、人気のあるインフルエンサーにハマっている人は「信者」と呼ばれています。

推しのインフルエンサーと同じようなファッションをし、その人が「いい」と勧めるものは何でも信じて、「悪い」と言ったものを嫌悪する。そのインフルエンサーが誰かと対立すると、信者は一斉に相手を攻撃します。

それだと自分をなくし、他人に自分の人生を支配されているようなものです。ファンになるのはいいけれども、崇拝に変わったら周りが見えなくなるのではないでしょうか。

大谷翔平がWBCの円陣でみんなにかけた言葉

大谷翔平選手が2023年のWBCの決勝戦の試合前、ロッカールームで円陣を組んでみんなにかけた言葉が話題になりました。

「憧れるのをやめましょう。今日は野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられない。僕らはトップになるために来たので、今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」

目標達成できる人は、尊敬する人や憧れの人を崇拝して追いかけてはいません。

「あの尊敬する人はこういう時どのように行動するのだろうか」と考えるでしょうが、それでも一度自分の立場というフィルターを通して、その行動はふさわしいのかを検討するでしょう。

「我以外は師と思え」という言葉があるように、自分の心構え1つで、人から学ぶことはたくさんあります。いろいろな人の素晴らしいところを自分自身の中にとり込んで、「自分自身を尊敬する人物のナンバーワンにつくり上げろ」というのが、私の持論です。

目標を達成できる人は、人のいいところを見つけ出し、採り入れられる!