15.5兆円増の成果を任務に戻った装備で確かめる
第二に、防衛費を増やし、調達や修理の仕組みを改めた結果、任務に使える装備がどれだけ増えたかを検証する。
装備の種類ごとに、任務に使える数、部品待ちで止まった機体の数と日数、共食い整備の件数と追加の作業時間・費用を記録し、新造機の納入や退役、定期修理で数が増減した分を除き、調達や修理の改革で使える装備が増えたかを比べる。
小泉防衛相は2026年5月の国会で、検査院が可動状況を調べた2019〜23年度にP-1で使えない機体が生じても、警戒監視に支障はなかったと答弁した。その説明が妥当か、改革が成果を上げたかを、国会や国民が確かめるには数字が要る。
可動率そのものは安全保障上、公表しにくい情報だとしても、部品待ちの日数や共食い整備の件数の推移なら、米国のように機密を守りながら国会に示せるはずだ。予算を使った額に加え、任務に戻せた装備を示してこそ、増額の効果を問える。
安保3文書の改定に何を書き込むか
ここまで見てきたように、共食い整備は米英仏にもある。ただ、米英はその負担を数え、米国は製造中止への備えを全装備に課してきた。フランスは使える機体の数で企業の責任を問う。これらと比べ、日本は負担の把握、製造中止への備え、契約上の責任の問い方がいずれも手薄だ。
会計検査では、製造中止を把握しても発注量に反映しない仕組みや、修理できなかった部品を成果の判定から外した陸自のPBLの問題が明らかになった。これらは手順と契約の改定から直せる。
防衛省が2022年12月に公表した説明資料は、部品取りの写真と同じページで、「2027年度までに部品不足を解消」すると掲げていた。ところが、政府自身が、一部の装備ではこの目標に届かない見込みだと認めている。
年内の安保3文書の改定では、どの装備で、なぜ部品不足の解消が遅れるのかを示す必要がある。そのうえで、新しい防衛力整備計画には、製造中止の情報を発注に生かす手順と、増額の成果を「使える装備の数」で測る物差しを書き込むべきだ。
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