「わかってほしいのにわかってもらえない」

被害者意識をもつ人には、「わかってほしいのにわかってもらえない」という思いを抱えている人が多い。自分の思いになかなか共感してもらえないために深く傷ついているといった感じがある。

もちろん見当外れのクレームをつけてくる人や到底受け入れるわけにはいかない要求を突きつけてくる人物に共感しがたいのは当然である。だからといって頭ごなしに否定することで、相手の考えを改めさせることはできない。そんなことをすれば、相手はムキになって自分の考えに固執するに違いない。そこで大切なのはカウンセリングマインドをもって対応することである。カウンセリングマインドの最も基本的なポイントは、良い聞き手となることである。

人はだれも自分をわかってほしいと思っている。今は饒舌な人が多かったり、SNSで投稿する人が多かったりして、やたら発信したがる人は多くても、受信してくれる人は少ない。カウンセリングが必要とされるのも、話を聞いてくれる人が少ないからである。

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「自分の思いの歪み」に気づくことも

そんな時代ゆえに、多くの人々は、だれかに自分の思いを話したい、自分の話に耳を傾けてほしいとの強い欲求を胸の内に秘めている。その一方で、うっかり胸の内を語ると、「そんなことを考えてるのか」といった感じの呆れたような反応や、バカにしたような反応をされるのではないかといった不安もある。

榎本博明『被害者意識が強すぎる人たち』(祥伝社)
榎本博明『被害者意識が強すぎる人たち』(祥伝社)

とくに見当外れの被害者意識をもっている人の場合、「何を言ってるんだ」と相手にされないことが多いため、自分の言うことをちゃんと聞いてほしいという思いが強い。だからこそ、そのような人の気持ちをほぐすためにはじっくり耳を傾けてあげる必要がある。そこで、前項では積極的傾聴の姿勢のポイントを示した。だが、その姿勢を形だけ真似しても意味はない。心の構えが問題である。そこで、まずは良い聞き手となることが大切となる。

被害者意識をもつ人も、自分の気持ちに焦点を当てつつ語ることの中で、自分自身の思いが次第に整理され、明確化されていく。それによって自分の思いの歪みに気づくこともある。

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