「積極的傾聴」の姿勢を使うと効果的

そこで有効なのが、カウンセリングでも重要な役割を担う積極的傾聴の姿勢である。そのポイントは、相手に関心を向け、その言いたいことや気持ちを「わかりたい」という思いをもって話を聞くことである。その際、相手の話を遮さえぎらずに聞くこと、そして話すよりも聞くことを意識することが大切となる。

相手の言いたいことや気持ちをわかろうとするのは当たり前ではないかと思うかもしれないが、多くの人は相手の話をコトバとしては聞いても、そこに込められた思いまで汲くみ取ろうとしていないものである。だからスレ違いが生じ、お互いにイライラすることになる。

たとえば、ひと言聞いたところで、「それは違う」と思い、相手がどんな気持ちなのか、なぜそう思うのかをわかろうとせずに、相手の言うことを否定するような言い方をしてしまう。これでは相手の不満は解消しない。

カタルシス効果が働いてスッキリする

積極的傾聴の姿勢のポイントを示すと、つぎのようになる。

①相手に興味をもつ
②相手の話に意識を集中する
③うなずきを多用する
④相づちを打ちながら聴く
⑤共感を示しながら聴く
⑥相手の言葉の一部を繰り返す(オウム返し)
⑦質問をすることで、関心をもって聴いていることを伝える
⑧似たような経験が自分にもあれば、それを簡単に話す

このような姿勢で聞いてもらえれば、相手は気持ちよく話せる。遮られずに思いを吐き出すことができれば、カタルシス効果が働いて気分がスッキリする。さらには、自分の思いに耳を傾けてくれ、共感してもらえたと感じることによって気持ちがほぐれ、こちらの言うことにも耳を傾けようという気にもなる。

最近は、カウンセリングのスキルについての情報が拡散され、「うなずき」「相づち」「オウム返し」と形だけ用いる人もいるが、「相手の気持ちをしっかり受け止めたい」「わかりたい」という思いが基本であり、それ抜きの形だけのスキルでは何の意味もない。

忙しいときにそんなことはしていられないと思うかもしれない。もちろんこれを完璧に行うのは難しいだろう。でも、このような積極的傾聴の心構えを念頭に置いて、そのごく一部でも実践することができれば、向こうの被害者意識も多少は和らぐはずである。