国歌「ラ・マルセイエーズ」とは

一連のデモや暴動を「分析」するために、まずフランスがどんな国なのかを確かめておこう。お国柄を最も象徴するのが国歌ラ・マルセイエーズである。同国の駐日大使館のサイトには、大統領府と同じ記述が日本語に訳されている。

それによれば、フランス南部の都市マルセイユの歌、を意味し、1792年に作られた歌は、もともと「ライン軍のための軍歌」という名前だったものの、マルセイユの義勇兵が歌ったところに由来するという。

青空にはためくトリコロール
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前奏からして勇ましく、歌詞は「さぁ行こう、祖国の子どもたちよ」と始まる。その後も「私たちに暴虐の血塗られた旗が掲げられた」と続く。「聞こえるか? あちこちの野にいるあの凶暴な兵士たちの呻き声が」と問い、その兵士たちが、「息子たちや妻たちの喉を掻き切るぞ!」と煽る。

最後には、「武器を取れ、市民たちよ」「隊列を作れ」「進もう! 進もう!」と鼓舞し、「不潔な(敵の)血で、われらの畑の畝うねを潤せ!」と最後まで血生臭い。

要するに、一致団結して、攻めてくる敵を返り討ちにし、その血で自国の領土を染めよう、というのだから、穏やかではない。

「暴力で自由を勝ち取る」という信念

私は全部で7番まであるこの歌すべてを歌えないものの、3番までならフランス語で暗誦できる。通っていた東京の暁星中学と高校で、何度も聞いたからである。フランス人のカトリック宣教師たちによって作られた同校は、古くから同国との結びつきが強い。私の代の卒業式には駐日フランス大使が来賓として祝辞を述べていたし、何より中高6年間のみならず、小学校からフランス語を教えている。

同校の大先輩にあたる俳優の香川照之氏は、かつてTBS系列で放送されていた「ぴったんこカン・カン」に出演するたびにラ・マルセイエーズを熱唱していた。その姿を覚えているかたもいるかもしれない。

国歌といえば君が代のような、ゆったりとした厳かなメロディーと、古語のような歌詞を想像していた私にとって、フランス国歌は衝撃だった。同国大統領府によれば「自由をたたえる革命の軍歌」であり、まさに自分たちの自由はこの歌詞にあるように武力=暴力によって勝ち取り、そして守り続けるものだという信念があらわれているのではないか。