ホイールベースをミリ単位で吟味
これまで3ドアのみで、車室も小さく、ファミリーカーとしての利用も限定的だったジムニー。
日本のユーザーからの「広く使い勝手が良いジムニー」を望む声にこたえ、340mmアップのロングホイールベースとし、後席ドアと広い荷室を備えたジムニー・ノマドが誕生した。
これまでなぜホイールベースが長いジムニーが存在しなかったのか、というと、先に触れたように、短いホイールベースこそが高い悪路走破性の肝であるからだ。
悪路では、タイヤが浮き上がり、3点しか接地しない状況も起きるし、前後タイヤの距離が長くなると、地上高を確保していても、凸凹道ではボディ下部が接触するリスクも高まる。そうなると、クルマの破損だけでなく、走行不能状況に陥るリスクも生じる。
そこで5ドアのノマドの開発でも、ホイールベースの延長が悪路走破性に与える影響を最小限にとどめるべく、ホイールベースの長さをミリ単位で吟味したと、スズキの開発者は話す。
その結果、3ドアモデルには敵わないものの、それに迫るレベルの非常に高い悪路走破性を実現している。
ジムニーの本質を守りつつ、乗用機能を高めた結果、後席に人を乗せても、より多くの積載が可能となり、後席ドアの追加で後席へのアクセスも簡単になった。
シエラ由来の設計で加速は不利
だからといって万人受けするもモデルとなったと誤解してはならない。基本的には、シエラのロングホイールベース版であること。つまり、軽のジムニーと変わらない点も多いのだ。
例えば、ダッシュボードは3モデルで共有しており、車室内の横幅は全て同じ。後席が広く感じるのは、リヤタイヤの邪魔にならない位置に移動したためだ。だから、ノマドも4人乗りのままで、一般的な登録車のように5人乗りはできない。
また車両重量が100kg増加しているが、シエラと同じ自然吸気仕様の1.5Lエンジンのままで性能は同等。つまり、シエラより加速は悪い。さらにAT車に関しては、今時珍しい4速ATなのだ。これは燃費や走行音には不利となるが、そこも負荷の大きい悪路走行に耐えるための信頼性を重視した結果だ。



