スズキの小型四輪駆動車「ジムニー・ノマド」が人気だ。発表直後、注文が殺到し、わずか4日で受注停止。販売再開も、納車までは「1年以上かかる」という。ヒットの秘訣はどこにあるのか。自動車ライターの大音安弘さんが解説する――。

シリーズ初の5ドアモデル

スズキの本格オフロードカー「ジムニー」シリーズの5ドアモデル「ジムニー・ノマド」が、今年7月1日に、一部改良を受けて販売が開始された。

シリーズ初の5ドアモデル「ジムニー・ノマド」。
筆者撮影
シリーズ初の5ドアモデル「ジムニー・ノマド」。

ノマドは、シリーズ初の5ドアモデルとして、2025年1月30日に発表されたが、目標月間販売台数1200台にもかかわらず、4日後の2月3日には、想定を大きく超える台数となったとして、受注を停止。その数は5万台以上と言われた。

そのため、展示車も販売に回し、顧客向けのお披露目イベントも中止となるなど、まさに幻の存在に。中古車販売店の店頭には、新車価格を大きく上回るプレミア価格で並ぶものが見られ、その人気の凄さを実感させた。

もちろん、スズキもニーズに応えるべく、昨年7月より増産体制に。バックオーダーの消化を進め、丁度1年後となる今年1月30日より、改良型の受注を再開したが、販売店などによれば、「納期には1年以上かかかる」という。発売から2年近くが経つが、依然として手に入りにくいクルマとなっている。

ルーミーに迫る年間9万台の実力

ただジムニー人気は、ノマドから始まったわけではない。2018年にデビューした4代目となる現行型の軽自動車「ジムニー」と登録車「ジムニー・シエラ」の発売から瞬く間に人気車となり、納期が1年以上は当たり前という状況となっていた。

ノマド登場前年となる2024年の年間登録台数を見てみると、ジムニーが4万1406台、シエラが2万5848台とシリーズでは、6万7254台を記録。ノマドが加わった2025年は、ジムニーが5万0362台、シエラとノマドの合計が4万1366台で、9万1728台を記録している。

数字でもノマド効果をしっかりと感じられる。

参考までに昨年の登録車の年間登録台数と照らし合わせてみると、5位の小型ワゴン「トヨタルーミー」の9万5221台と6位の小型ミニバン「ホンダフリード」の9万0437台の間に収まるため、国民的な小型ワゴンと肩を並べるくらい売れているといえるのだ。