野党政治家は「国を売るのか」と反発
ムシグワ氏によると、タンザニア政府は現在、鉄道の運行だけで年280億タンザニア・シリング(約1100万ドル、約17億円)余りを費やしている。一方、契約では、CCECCが改修後の運営期間中、年3000万ドル(約47億4000万円)を政府に支払うことになっている。
だが同じ日、タンザニアの野党チャデマのジョン・ヘチェ副党首はX(旧ツイッター)に、「なぜ持ち主がいないかのように国を売るのか」と投稿して反発し、契約が議会で審議されていないと主張した。ザンビアでも、ザンビア大学のチャリティ・ムサンバ講師が、具体的な実施計画がなければ事業が「債務の罠」につながりかねないと警告している。ただし、契約上、改修に投資するのは中国企業側とされている。
賛否が分かれるなか、2026年に入ると中国の銅生産大手などが新たに出資し、鉄道事業は商業的な性格を強めた。中国は鉄道職員の育成にまで乗り出している。
4月、洛陽モリブデン(CMOC)と紫金鉱業、海運大手の中国遠洋海運集団(COSCO)の各傘下企業と、嘉友国際物流の4社が、CCECCとの合弁会社に出資することになった。ブルームバーグの報道では、出資比率はCCECCが80%、4社が5%ずつだという。
改修後の鉄道は合弁会社が貨物輸送を担い、アメリカと欧州連合(EU)が支援するロビト回廊と競合する。ロビト回廊は、CMOCと紫金鉱業が鉱山を経営するコンゴ民主共和国の鉱山地帯と、アンゴラの大西洋岸の港を結ぶ鉄道だ。
中国は友好を強調するが、現地には警戒論も
鉄道事業のビジネス色が強まる一方で、TAZARAは50周年記念行事で中国との友好の歩みを振り返った。タンザニア英字紙のシチズンによると、7月7日、ダルエスサラームの中国人墓地で、鉄道の建設中に亡くなった中国人を追悼する式典が開かれている。
式典のテーマは、「解放から変革へ」。TAZARAのブルーノ・チンガンドゥ総裁は、「彼らが建てた鉄道が人々に使われ続けることが、最大の追悼になる」と述べ、運営の委託を決めた両国の大統領をたたえた。
同じ月には、ダルエスサラームで鉄道職員の訓練センターなどの起工式が行われた。同紙によると、CCECCの李重陽(リー・チョンヤン)会長は、約60年前のこの鉄道建設が、同社初の本格的な海外事業だったと振り返る。「魚を与えるのではなく、釣り方を教える」と語った。センターでは、将来はタンザニア人が自力で運行を担えるよう、人材を育てる。
友好の証としての援助から方針を転換し、銅輸送ビジネスとして関わり始めた中国。引き続き現地への技術移転を重視するというが、現地からは警戒の声も上がる。
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