結局、「中国企業が運営」を受け入れた

ザンビアの英字ニュースサイト、ザンビア・モニターなどによると、4月中旬、職員たちは数カ月分の給与を受け取れず、ストライキに入っていた。ザンビア政府が未払い給与の半額しか支払えていない中、職員らは全額が支払われるまで職場に戻らないと表明した。

ストで苦境のTAZARAに追い打ちをかけるかのように、その1週間後の未明には、修理のため工場へ回送中だった機関車2両がタンザニア国内の橋で脱線して横転し、運転士2人が死亡している。

TAZARAだけでなく、ザンビアの国家財政も逼迫していた。ロイター通信によれば、同国の債務は134億ドル(約2兆1200億円)にのぼり、その4割超の57億ドル(約9000億円)は最大の公的債権者である中国からの借り入れだ。

そして9月29日、ついにタンザニア・ザンビア両政府は、北京で中国企業CCECCと鉄道の改修・運営契約を結んだ。契約期間は、2016年に一度は退けた中国の企業連合の案と同じく、30年の長期にわたる。CCECCは最初の3年で鉄道を改修し、残る27年の運営で投資額14億ドルを回収したうえで、運営権を両政府に返還する。こうした仕組みはBOT(建設・運営・譲渡)方式と呼ばれる。

これは習氏が2023年に示した「商業化」の原則に沿った仕組みである。中国側にとってこの鉄道はもはや援助ではなく、周到に計算されたビジネスへと変わっていたと、南アフリカ・ステレンボッシュ大学のティム・ザヨンツ研究員はサウスチャイナ・モーニングポストの取材で分析する。同氏によると、これにより中国企業は、世界最大の銅・コバルト鉱床とインド洋を結ぶ要となる輸送路を押さえることになる。

ザンビアを「よき兄弟」と呼んだ中国首相

2025年11月20日、ザンビアの首都ルサカ。中国の李強(リー・チアン)首相、ヒチレマ氏、タンザニアのエマニュエル・ンチンビ副大統領(当時)の3人が、国際会議場で記念の銘板を除幕した。

中国の首相がザンビアを訪れたのは、28年ぶりのことだ。AP通信によると、ヒチレマ氏はタンザニアとザンビアを結ぶ鉄道の建設当時を振り返り、「中国の人々はザンビアの兄弟姉妹を支えると決めた」と語った。李氏は、中国は「ザンビアのよき兄弟、よき友、よきパートナー」だと述べた。

30年間運営権を委ねることになるものの、アルジャジーラによるとヒチレマ氏は、新たな経済回廊の利点を強調している。沿線住民には、「これはあなた方の資産だ」と語りかけたという。

ザンビア側の終点カピリムポシでは早くも改修工事が始まり、ザンビア人作業員が新しいレールを敷設した。タンザニアの独立系ネットメディア、チャンゾは、同国のゲルソン・ムシグワ政府報道官が12月29日、中国企業CCECCとの契約の正当性を主張したと伝えた。

カピリ・ムポシ駅に停車中のTAZARAの機関車
カピリムポシ駅に停車中のTAZARAの機関車(写真=David Brossard/CC-BY-SA-2.0/Wikimedia Commons)