4週間「本気だ」と言い換えた結果は
リフレーミングの具体的なフレーズをいくつか紹介します。
「緊張している」→「本気の証拠だ」
「失敗したら怖い」→「それだけ大切な機会だ」
「うまくやれるかわからない」→「ここで学んだことが次に活きる」
これらは単なる「前向きな言い換え」ではありません。実際に脳の処理を変え、パフォーマンスに影響を与えることが研究で確認されています。
ある5%社員は「プレゼン前に緊張したら、『この緊張は準備が足りないからではなく、本気だからだ。このエネルギーを使って最高のプレゼンをしよう』と自分に言い聞かせる」と語りました。彼は年間17回の大型プレゼンをこなしていましたが、すべてこのリフレーミングで臨んでいたのです。
1回のプレゼンで使ったリフレーミングが「結果として効いた」という体験データになると、次のプレゼンでのリフレーミング使用への信頼度が上がります。経験値が増えるほど、リフレーミングが「信じて使える道具」になっていきます。
弊社が10社で行った再現実験では、一般社員に「プレッシャーを感じたら、『これは本気の証拠だ』と言い換える」を4週間実践してもらいました。結果、「プレゼンや交渉への恐怖感が減った」と回答した人が66%、「実際のパフォーマンスが向上した」と回答した人が53%でした。
プレッシャーは、自分がその場を重要だと判断している信号です。重要だと判断していない場面では、プレッシャーは発生しません。
トップ5%社員が1日17.3回言う言葉
続いて、弊社が18社で行った発言分析の結果で、興味深い点をご紹介しましょう。5%社員と95%社員の言葉遣いにおける最大の差が、「ありがとう」の使用頻度だったのです。
1日あたりの「ありがとう」の発言回数は、5%社員が平均17.3回、95%社員が平均4.8回。実に3.6倍の差がありました。
「ありがとう」を1日17.3回口にするには、17.3回分の「感謝の対象」を見つける必要があります。3.6倍の発言頻度の差の背後には、3.6倍の注意の向け方の差があります。
この差は単なる「礼儀正しさ」の問題ではありません。弊社の分析では、「ありがとう」の発言回数と感情の安定度に強い相関が確認されました。1日に「ありがとう」を15回以上言う社員は、5回以下の社員に比べて、感情の暴走が起きる頻度が73%少なく、感情の回復時間も約2.4分の1に短縮されていたのです。
なぜ「ありがとう」がこれほど感情に影響を与えるのでしょうか。


