街開き3週間で「不気味なほど生気がない」

当局はアルカダグを「スマートシティ」と位置付ける。ニュース・セントラル・アジアが2022年12月に伝えた計画では、バスもタクシーも電気自動車とし、信号機とバス停にはデジタル方式を採り入れる。駐車場は空き状況を運転手に知らせ、ふたのセンサーでごみのたまり具合を伝える「スマート」なごみ箱まで置くという。住宅棟や官庁の周り、街路には、24時間休みなく作動する監視システムを設ける計画だった。

街開き後には、電気バスと電気自動車しか走らず、信号は道路の混み具合に応じて切り替わると、グローバル・ボイシズが伝えている。

だが、技術の粋を集めたアルカダグは、街開きから3週間後には早くも、「不気味なほど生気がない」状態となった。亡命メディアのクロニクルズ・オブ・トルクメニスタンの記者がまとめた現地報告を、ユーラシアネットが伝えている。

通りから車が消えたのは、当局自身が敷いた規制のためだ。当初、車の乗り入れは全面的に禁じられていた。その後緩和されたが、新しくて「きれいな」車しか通れない制限がある。基準を満たすかどうかは、検問所に立つ警察官が判断する。入れるか追い返されるかは、彼らの一存で決まる。

かといって、歩行者が行き交うわけでもない。「スマート」な街の売り物である監視カメラが、人も車も通らない通りを撮り続けている。

街路に設置された監視カメラ
写真=iStock.com/Marcus Lindstrom
※写真はイメージです

「10年で持ち家」のはずが30年ローンに

移住が進まない要因の一つが、住宅の条件だ。当初、10年住めば自分のものになるはずだった住宅は、いつの間にか30年ローンで購入する条件に変わっていた。住民の負担は大幅に重くなった。

無償で住む道もあるにはある。グローバル・ボイシズによれば、35歳未満の公務員は無料で入居でき、10年間解雇されなければ住宅の所有権が与えられるという。だが、その勤め先となるはずの官庁の多くはまだ移転しておらず、街にはそもそも働く場がほとんどない。

巨費を投じた街に、人は集まらなかった。2024年1月20日、第2期工事の現場を訪れた前大統領は、移住キャンペーンの低調ぶりにいら立ちをのぞかせた。優先課題に挙げたのは「商業文化の向上」とサービス業の定着だった。

先に触れたとおり、第1期の計画に含まれた商店はわずか19軒。ユーラシアネットは、まともな商店や基本的な生活の便が乏しいことで、移住が低調になっているとみる。