新型と旧型の本体代と電気代を比較

では、エアコンが購入から10年間は使えるとして、省エネ新基準と旧基準では、電気代がどのくらい変わってくるでしょうか。試算しました(※2)。

たとえば、8畳向けの新基準対応エアコン(2.4kW)を購入すると、型落ちの旧基準8畳向けのエアコンより、10年間で電気代が3万673円ほど安くなる計算になります。本体価格は、ビックカメラでパナソニックの8畳向け旧基準モデル(Jシリーズ)が11万2200円なのに対して、新基準モデル(Cシリーズ)が15万1800円なので、価格差は3万9600円。つまり、新基準対応エアコンは、本体価格が3万9600円高くなるものの、10年間の電気代は3万673円安くなり、たった9000円くらいの差で2027年対応機種が買えるというわけです。

また、自治体によっては、省エネ家電に買い替えると数万円の補助金が出る制度などもあり、これを活用すると余裕で元が取れる計算になります。

新旧基準の本体価格と累積電気代
筆者作成
いちばん省エネ改善率の低い8畳用モデルで見ても、本体価格+寿命までにかかる電気代の合計を見ると、新旧基準モデルで大差ない。14年使った場合は、新モデルの方がトータルで安くなる。

12畳以上向けは省エネ改善率が高い

さらに注目してほしい点があります。じつは6畳から10畳向けの小さなエアコンは、すでに半導体や機械部品の省エネ化が進んでいるため、今以上に省エネ化することがむずかしく、また大きな部屋向けのエアコンに比べて消費電力が少ないので、政府が求める省エネ改善率は13.8%と低く設定されています。一方、消費電力も大きな12~14畳以上向けエアコンは省エネ改善率が34.7%と多いのです。

つまり、前の項目の計算に当てはめると、10畳向けモデルまでは省エネ改善率が13.8%と低いため、10年間で安くなる電気代は3万9712円しかありません。しかし、ワンサイズ大きな12〜14畳向けモデルは改善率が34.7%と大きく、電気代が10年間で最大12万3275円(1年間で最大1万2327円、1カ月で最大1232円)も安くなります。つまり、2027年の新基準に対応したエアコンは、大きな部屋向けの機種ほど電気代が安くなります。環境だけでなく、お財布にもとてもやさしいといえるでしょう。

新基準(2027年対応機)と旧基準の10年間の累積電気代
筆者作成
ピンクは、2027年の新基準に対応したエアコンにかかる10年間の累積電気代。グレーは、旧基準のエアコンの累積電気代。青い文字は、どれだけ電気代がお得になるかを示す金額。

新旧基準の違いで本体価格が12万円も高くなることはまずないので、新基準のグレードアップしたエアコンに乗り換えたり、ワンサイズ大きな部屋向けのエアコンを購入したりして、冬をより暖かく過ごすという手もあります。

※2 電気代は全て、1kWhあたり31円で計算。旧省エネ基準の「期間消費電力(kWh)」(JIS規格などで定められて、1年を通して冷暖房を利用した場合の目安となる消費電力。冷暖房の温度や外気温、運転時間など細かな条件設定あり)を元に、2027年の新基準に対応した場合の年間消費電力(kWh)を計算。そこから双方の10年間の電気代を算出。各能力(畳数)の期間消費電力は、2025年12月1日現在に発売中のエアコン(旧基準)全メーカー、全機種(寒冷地仕様は除く)の中から旧省エネ基準100%達成モデルをピックアップし期間消費電力の平均値を利用。ただし達成率100%未満または100%を越えるモデルは除外。