会社員の「当たり前」は稼ぎになる

知り合いの会社員の女性が、「一度はやってみたいこと」をかなえる小さな会を始めました。スイカを丸ごと食べる、1日で電車を全線制覇する、喫茶店の新メニューに挑戦する。お金を稼ぐことが目的ではなく、企画し、人に声をかけ、一緒に楽しむ活動です。

彼女が使ったのは、日程を調整する、準備を整える、参加者の様子を見ながら進行するといった、会社で身につけた力でした。やがてその活動が女性誌を発行するメディア企業グループの目に留まり、地元を巡る小旅行の企画、集客、当日の運営を任されます。評価されたのは、人を集める力、最後までやり切る力、相手の意図をくみ取る力でした。

別の知り合いの女性は、本業のコンサルティングで培った、論点を整理し、物事を構造化し、言葉にする力を使ってSNS発信を開始。海外のクラウドソーシングサービスに登録し、自己紹介文の添削を出品すると、依頼が入り、リピーターも生まれました。

2人に共通するのは、「稼げる資格」を取りに行ったのではなく、会社で普通にしていたことを社外でも使った点です。自分には何もないと思う人ほど、「人からよく頼まれること」「苦労せず続けられること」を見直してみてください。会社では当たり前すぎて評価されない力が、場所を変えれば仕事の種になる。これが、会社員だからこそできる裏OLという働き方なのです。

ノートパソコンでタイピングをするビジネスマン
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インスタの素人だからできた講座

裏OLという働き方は、「会社」という柱のほかに、柱を一本一本、少しずつ増やしていくことでもあります。それが、人生後半戦の現実的なリスク管理になるのです。

実際に私は、人生の柱を一気に増やしたわけではありません。最初の柱はとても地味でした。40代のとき、セミナーで学んだ内容をもとに、読書会を開きました。参加費は500円か1000円。利益よりも「私にお金を払って来てくれる人がいる」という事実は、大きな驚きと喜びでした。

次に、Instagramを本気でやり始めました。ぎこちない笑顔の自撮り写真や、なぜか食べ終わったあとの手羽先の骨だけの写真。それでも続けているうちに、写真は明るくした方がいい、プロフィールは読みやすく箇条書きにすること、投稿だけでなくフォロワーさんへのコメントやストーリーズの活用、写真より動画の方が閲覧率が上がるなどなど、やりながら反応を見て、その都度改善して研究して……など試行錯誤を繰り返しました。

通勤途中の信号待ち、会社のトイレでも携帯電話をチェックする毎日をおくって、少しずつ運用のコツをつかんでいきました。

そのおかげで、働きながら1年でフォロワーを1万人にしたことで「Instagramを教えて欲しい」と声がかかるようになりました。そこで「Instagramの始め方マンツーマンレッスン」を始めました。今思えば、レッスンと呼ぶにはおこがましいくらい「ちょっと詳しい会社員と一緒にInstagramを楽しむ時間」でした。しかもレッスン料は、一人1時間たった500円。そのうち、使い方だけじゃなく、発信内容についての相談が増えました。

夕暮れの都会でiPhoneを使う女性の手
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